寝不足

……はっ、と目が覚めて寝ていたことに気付いた。向かいのデスクで同期が内線をとっている。


平和だ。あまりにも平和だ。


午前の仕事はあらかた片付いて、急な仕事が入りさえしなければ、この1時間はコピー用紙の給紙やデスク周りの片付け、ファイリング待ちの書類の整理や、ホチキスの針の補充など、雑務の中の雑務をこなして過ごさなければならない。こう書くと気楽な仕事みたいなのだが、オフィスにおいての暇な時間は地獄だ。いかに重箱の隅をつつく勢いで仕事を見出し、大袈裟に仕事をしているアピールをするかというところがしんどい。まして、閑散期のオフィスでは、これが毎日なのだから、無駄に整理が行き届いている。仕事がない。


それにプラスして、わたしは昨日調子にのって夜ふかしをしてしまった。何気なくチェックしている動画配信者の動画が、昨日のだけ異様に長かった。見たのを後悔している。


欠伸を噛み殺しながら、デスク周りを見回す。また内線が鳴って、はっと起きるのを繰り返している。





内線が鳴る音でちょっと目が覚める。寝不足で仕事をするのはいけない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る