マニキュア

うちの学校は偏差値が低いから校則がガチガチにきつくて、ナチュラルメイクですら許されない。色付きのリップクリームですら見咎められる日もある。


爪だって短く切りそろえて、余計なものは塗ってはいけない。ナチュラルカラーのマニキュアくらい、いいじゃんね、と友達とよく言っている。


けれども休みの日まで校則は干渉してこないので、連休ともなれば、誰かの家に集まってネイル大会が始まる。誰か……って言っても、マニキュアをたくさん持ってるのはネネなので、ネネの家に問答無用で押しかけるわけなんだけどね。


今日はどうしようかなあ……とバリエーション豊かなマニキュアのボトルを眺めていると、ネネが「こんなのも買ってみた」とネイルシールを取り出してきた。


「えー! やば!! これってあのかわいいチョコレートとコラボってるやつじゃん!!」

「まってキティちゃんなんだけど、ギャルやんけ!!」


おいおい、みんな100均で揃うんですけど……。とツッコむネネも少しばかり得意げだ。


ネイルの日は、タダで使わせていただくのもアレだけど、そこまで高額なものではないからとネネが遠慮するので、各自おやつやジュースを持ち寄る。これが青春か……と胸に沁みる昼下がりの女子会である。

 



玉藻刈るをとめらの爪きらきらとマニキュアのせる昼下がりの部屋

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