平日やすみ
大人はずるい。僕たちは昼間、ずっと座って難しい問題を解いたり、黒板とにらめっこしたり、暑い中寒い中体育をしたり、休む暇なんて全然ないのに。
大人は平日に休んでずっと寝ていたり、テレビをだらだら見たり、仕事中だってお菓子を食べたり、帰りにいろんなお店に寄ったりして、楽しいことばっかりだ。
僕らは、風邪をひいたときくらいしか、休めないっていうのに。
いままさに、風邪をひいて寝っ転がって天井をみている。だけど僕の脳裏にはずっと、今日も一生懸命授業を受けているであろう友達のことばかりちらついて、天井に黒板があるみたいに勉強のことを考えてしまう。
夏の大三角と冬の大三角を作る星の名前を言ってみたり、全然覚えられない漢字のことを考えたり、図工で書きかけのまま放ってある鯨の絵のことを考えたり。
家でひとりで寝ていると、学校の保健室では味わえない静けさと、窓から差し込む陽の光がほこりの動きを見せてくれるあの風景とかを強く意識してしまう。これで窓がステンドグラスみたいな色付きのガラスだったら、天井に色が泳いで、綺麗なんだろうけど。
ああ、やめやめ。頭痛くなってきた。また冷蔵庫が低く唸ってる。
平日休みが特別に感じるのは、学生のときだけなのかな。
学校を休んだ昼の天井は星やら文字やら鯨が泳ぐ
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