第3話 転校生の初日

最近はあまりいい夢を見ないものだ

そしてあの不気味な笑顔。

「目覚めが悪いものだな。」

『蒼空君大丈夫?!』

シエリアが騒がしそうに扉を開けた

「どうしたんだシエリア?」

『君すごいうなされてたよ!』

シエリアが慌てていた。

「そうだったのか」

「心配してくれたのか?ありがとうな」

『それは心配くらいはするよ。あんなに苦しそうにしていたらね?』

『それはそうと早く着替えてきなー

服濡れてるの傍から見ても分かるから。

あと朝食作っておいたから降りてきてー』

「お、おう?ありがとう!」

シエリアは下の階に行った。

待て待て朝食を作ってくれたのか?!

何年ぶりだ?朝食を作って出してもらうことは?なんか泣けてくるぜ。



「今日も学校かぁ、昨日あんなことがあって今日初日、不登校になってもおかしくはないと思うが?シエリアさん?」

『ダメだよ』

『学校は毎日行かないと!それに君もうろそろそろ卒業式が待ってるでしょ?』

「確かにそうだが命を狙われてる側としては行きたくはないのだが?」

『はぁ〜きみは、いい?私がついているんだよ?易々と君を渡したりなんかしないよ』

「おぉ?そうか?ありがとう」

『いえいえ』

その直後

『きゃっ』

シエリアはこけ始めた。

周りのオワンがひっくり返った

「ホントに大丈夫なんだろうか」

『何か言った?』

「なんでもござんせん!」



俺はその後電車に乗り曲を聞いていた。

少しでも気分を紛らわそうと思ったがそうは上手くいかなかった。

ピピィー!ピピぃー!

電車が駅に着いた音だ。

(おはようー蒼空!)

(ん?また具合でも悪いのか?)

「いや悪くないがまた悪そうか?」

(あぁー)

(最近ちゃんと寝てるか?)

「それが変な夢を見るんだ。」

(夢?)

「その夢はとても不気味な夢なんだ」

(そうかでも話してくれてありがとうな

大丈夫!何かあったら俺が助けてやる!)

「お?おうありがとう」

(ところで早く行けねぇーと遅刻しちゃうぞ

奏恵も待ってる早く行こう!)

「そうだな!」



「着いたー!」(着いたー!)

8時40分教室に入った時

(ブルるるるる)

ブザーの音だった

この学校はいつもチャイムではなくブザーが鳴る

俺は自分の席に向かい座った

俺は窓側の1番後ろの席でいつもそこで優雅にそこから見える景色を満喫していた。っと言っても見えるのは校庭で体育の実技をやってるのしか見てないがそれを邪魔してくるのが

【おはよぉー!蒼空!】

「おはよう奏恵」

そう奏恵が前のため常日頃外を眺めることはできないのであった。

それに…

(ダメだよ奏恵今日も蒼空は体調悪くなさそうなんだからどうやら昨日あっち系の動画見まくって気分が優れてないらしい)

【え、なにそれきもー】

「断じて俺は昨日見てない!」

(あははは)【ふふふ】

こんな軽い冗談を話している時だ

(ガラガラガラ)

{皆んな席に着いてるかー}

(起立)

(気をつけおはようございます!)

全(おはようございます!)

先生(おはようございます)

(着席)

皆んなが一斉に座り沈黙となった。

この先生の名前は君森武弥先生だ

部活は剣道の顧問をしており全国大会と数多い実力者を出している。

まぁ〜見た目的にインパクトが強く

俺らのあだ名は筋森と名付けられている

(今日は皆んな)

(もう知ってるやつもいるかもしれんが

うちのクラスに転校生が来る。)

「転校生?!」

【今の時期にですか?】

(そうだ。ちゃんと仲良くするように)

(入っていいぞ!)

(ガラガラガラ)

その転校生が入った瞬間だった

このクラスの全員が目を奪われた。

透き通るかのような白色の髪

その瞳を見続けてしまう緑の瞳

そこには天使かのようなスタイルの女性だ

だがその人には見覚えがある。

「まさかシエリア?!」

『初めまして私の名前は雪宮奈那です

皆さん仲良くしてください。』

(皆んな拍手ー!)

(パチパチパチ!)

(今回転校生してきた雪宮奈那さんだ

短い期間であるが仲良くやるんだぞ!

ついでに雪宮さんはあそこの窓側の悠騒蒼空の隣の席だから行くように)

待て待て待て

雪宮奈那が隣に座った

「どうなってんだこれ」

『君を守るのにこっちの方が効率がいいんだよ!それに…』

「それに?」

『私も学校生活っていうのを味わって見たかったから』

「そっちの理由が正解なんじゃないか?」

『そんな事ないよちゃんと君を守ることを考慮して来てるわけだし』

『あっ!そうだ後で学校案内よろしくね!』

『悠騒蒼空く〜ん!』

「はいはいやりますよ」

“待ってくれ蒼空と奈那さんって知り合いだったんですか?”

「そうだがなにかしたか?」

“ちょっとお前こっちこーい!”

俺は服を思いっきり掴まれ廊下に出された

“なんでお前あんな可愛い子知ってるんだよ

もっと早く言えよ”

「いや昨日会って話したくらいだから」

“信じられないな”

「なんでだよ」

『あのー何話しているんですか?』

“いやいやなんでもないですよ”

どこからか睨まれる視線が

それと同時に

【初めましてー!!私奏恵といいます!】

【あのお友達になりませんか?】

『ほっ』

【全然嫌とかだったら全然いいんですが】

『全然嫌じゃないです』

『こんな早く話しかけてくれると思ってなくてこちらこそよろしくお願いします!』

(ブルるるるる)

(授業始まるぞー!)

(皆んな席に付けー)

【また後でゆっくり話そう!】

『うん!』

その後だった

“げっ一時間目から数学かよー”

“あの先生正解しないと容赦なく補習受けさせられるんだよな”

『ねぇー蒼空そんなにこの学校は闇が深いの?』

「その言い方はやめとけ」

「そこまで深くないぜ数学が苦手な人が喋ってるだけだ」

『ついでに聞くけどそういえば君勉強得意なの?』

「ふふふよくぞ聞いてくれた実はな」

(次はこの図形の面積を答えてみろ悠騒)

「はい!」

「う〜ん分かりません!」

(素直なのはよろしい!放課後補習な)

(んじゃーこの問題解ける人!)

(お?!)

確かこの子は今日転校してきた雪宮奈那さん

まさか自分から挙手するとは

(それじゃーこの答え教えてください雪宮さん)

『2分の3±√5』

せ?正解したの?!これは高校生レベルの問題のはずなんだが

(ナイスです雪宮さん!正解です!)

“おぉ!”

クラスがどよめいた

“雪宮お前すげぇーな!俺なんて二の文字すら出てこなかったぞ?”

“雪宮さん是非勉強教えてください

俺も!私も!”

(雪宮さんは人気者になりそうですね!この調子でどんどん問いちゃってください!)

(他の人達は課題を早く提出してください)

“はぁーぃ”



今は昼食を食べ終わった後のお昼休みと言うものだ。

俺は数学の課題を提出しなければならなくなり、

「シエリア俺今から課題出しに行くんだけどそのついでに案内しようか?」

『やっぱりいいよ。』

『私の事を案内してくれるっていう人がいるからそっちに行こうかなと』

「そっか!分かったちゃんと案内してもらうんだぞ」

『うん!ありがとう!』

「お、おう」

俺はその後一人数学の先生その名も武知先生の元に向かっていた

職員室は二階中央にあり階段の上っていく

(タッタッタッ)

後ろから駆け足で上がる音が聞こえた

【あっくーん!】

突如後ろから衝撃があって前に躓きかけた

「危な!」

【あら大丈夫?】

「しらっとしてるとこやめろ」

「んでどうしたんだ?」

【今日は一緒に帰れるか聞きに来ただけー】

「今日はちょっと厳しいな」

【どうしてー?】

「それはだな今日はちょっと家にお客が来るんだよ」

【ふーんそっか、分かった】

【んじゃーね!】

奏恵は少しかしょげていた

その後俺は武知先生の元に課題となるものを出し補習をなくしてもらうように頼み込みその結果成功に終わった



(ブルるるるる)

五限目の始まりのじかんである

「もう帰りたいなぁ」

『ダメだよちゃんと集中して聞かないと君これからも置いて行かれるよ』

【そうだよタダでさえ成績低いんだから

そんなことだと一緒の高校について行けないよ?】

「なんだ二人とも話したことあるのか?」

『朝に話した時にちょっとね』

『あっ学校を案内してもらったのも奏恵さんだよ』

「なるほどな」

【私の方こそどうやって二人が友達になったのか知りたいよ】

「友達と言うか」

【言うか?】

『パートナー?』

『…………』

【パートナー?!!】











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