Side:クローデット おじさんを養いたい


 ※クローデット視点



 おじさんと別れ、宝物庫の端にまでくると、自らの首に付けられた首輪から垂れる銀の鎖を弄る。



 従魔にはしてもらえたけど、鎖を持つのは街中だけって言ってたしなぁ。



 でもでも、いつでも、どこでも持っててもらいたいしぃ、あーしを自分専用の牝だって見せびらかしてほしいのぃ。



 はぁ~おじさん、真面目すぎぃ。



 でも、やっぱ、その真面目なところもおじさんの魅力なんだよねぇ……。



 戦ってる時のオラオラ感とのギャップが、ちょー萌えるってーか、あんなの見せられたら身体の奥が痺れちゃうって。



 圧倒的力で屈服させられた時の戦いで、おじさんに逆らうことは愚かしいことだということが、細胞レベルで刻み付けられた気がしてる。



 おじさんの口から身体を差し出せと言われたら、迷うことなく自らの身体を差し出しちゃうって。



 っていうか。差し出せって言ってくれないかなぁー。



 従魔になって淫紋まで刻まれた専用牝のあーしから、えっちしてくださいとか言ったらおじさんに嫌われるかもしれないしぃ……。



 あー、マジでおじさんに嫌われた時のこと考えたら、泣けてきた。



 ムリ、ムリ、ムリっしょ。おじさんに捨てられたら生きてけないのは確実。



 はぁ、おじさん、あーしには手を出してくれないのかなぁ……。



 子作りえっちしてもらいたすぎるっしょぅ……。



 真剣な表情のおじさんに迫られて、自分の純潔を失う場面を想像してたら、身体の奥が疼くような感覚が強くなった。



 こんなことなら、他のサキュバスの子たちに、牡を落とすテクニックをちゃんと聞いておくべきだったかも。



 強い牡を求める方を優先して、そっちの話を適当に聞いちゃったのがマズかったなぁ。



 外に出たら、サキュバスの子を探して、牡の落とし方と楽しませ方を聞き出さないと。



 絶対おじさんみたいな強い牡には、他の牝が寄ってくるに違いないしね。



 おじさんに他の牝が寄ってこないよう、あーしがちゃんと養っていこう。



 そのためには、売れるものを見つけないと!



 よし、よし、頑張るっしょー!



 あーしは、宝物庫の中の物色を始めることにした。



 あのクソ爺、あーしを誘い込んで封印するだけのために作った宮殿だからって、マジでガラクタしかないじゃん!



【鑑定】魔法かけても、価値のありそうな物がほとんど光らないしぃ。



 わずかに光っている品を持っていくか選別する。



 魔法付与されてないアクセサリー系は、潰して貴金属として売り飛ばせばいいから、アリアリのアリ。



 ポーション系は売れないでおじさんのために持っておくのも、アリアリのアリっと。



 スキルクリスタルは、おじさん用かなぁ。



 いらないなら売ればいいっしょ。



 それにしても、大したお金にはならなそうじゃん……。



 これは想定外だったっしょ。



 おじさん養う計画が台無しぃ……。



 あ! えっちな衣装あった! クソ爺のやつ、こんなえっちなやつ作ってたとか、マジ、信じらんない!



 でも、あーしがこれ着たら、おじさんが興奮して襲ってくれるかな。



 だとしたら、アリアリのアリだ。



 透ける素材でできたえっちな衣装をそっと黒い穴に入れた。



 あとは、あーこれは重要っしょ! おじさんの服がぼろぼろだし、これ着てもらった方がいいはず。



 魔法が付与された男性用の黒い衣服が一着だけあった。



 破れたり、劣化しないだけの魔法しか付与されてないけど、おじさんの魅力的な裸を他の牝に見せなくて済むからアリぃ!



 外に出るんだから、他の牝が近寄らないよう、ちゃんと予防策はしておかないとね。



 他はもうないかぁ。



【鑑定】の魔法に、価値があるものとして反応した光は見えない。



 しょうがない、そろそろおじさんと合流しようかな。



「おじさーん! そろそろ武器見つかったー!」



「ああ、ちょうどいいのがあったぞ。そっちはどうだ?」



「あーしの方も終ったよ。じゃあ、そっち行くねー」



「ああ、足もとにいろいろと散乱してるから気を付けてこいよ」



「はぁい」



 あーしは、おじさんに着てもらうための衣服を抱えて、声のした方へ向かった。


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