第四話 冒険者登録してみた!


 マーカーを追って進んでいくと、石造りの大きな建物が見えてきた。



 看板には『冒険者ギルド』と書かれている。



 扉を押し開け、中に入ると受付窓口に女性NPCが一人ぽつんといるだけだった。



 チュートリアルだし、NPCキャラ配置が寂しいのはしょうがないか。



 早いところ、チュートリアルを終わらせてオンラインサーバーに繋げてもらおう。



 カウンターに急いでいくと、鳶色の瞳に茶髪の長い髪をした若い受付嬢が説明を始める。



「冒険者ギルドへようこそ。まずは新人登録をしますので、手を出してくださいませ」



 造形はものすごいリアル美人系寄りで自分好みだが、チュートリアルの影響か、受け答えの仕方は無感情だな。



 俺は言われるがまま、受付嬢へ手を差し出す。



 無表情の受付嬢は、大きな印鑑のような物を俺の手に押し当てた。



 その瞬間、ステータスウィンドウが開く。



 中身を確認したところ、【冒険者ランク:F】が追加されたようだ。



「はい、これで新人冒険者として登録されました。冒険者はFからSランクまで分けられており、依頼達成率、討伐実績等により、ランク昇格をするようになっています。そして、受けられる依頼はご自身のランクまでに制限されてます。より上位の依頼を受けたい場合は、依頼をこなし、討伐実績を稼いでくださいませ」



 最低のFランクスタートだが、魔物討伐に励めば、すぐにでもランクはあげられるだろう。



 なにせ、脳筋戦闘神だからな。



「冒険者の注意事項としては、①虚偽報告をしない②冒険者間で私闘を行わない③秘匿依頼に関する情報を漏洩しないの3点です。破られた場合、注意や厳重注意等の警告がされ、厳重注意が累積3つを超えると冒険者登録は抹消され、冒険者ギルドとは敵対関係になりますのでお気をつけください」



 冒険者として生きるなら、冒険者ギルドとの敵対関係になると詰む。



 注意は仕方ないとして、特に厳重注意されないよう気を付けないと。



「ああ、分かった」



 受付嬢が薄い金属板を差し出してきた。



 俺の名前と冒険者ランク、登録先冒険者ギルド名が打ち込まれてるな。



「こちらがノーキンさんのギルドカードです。身分を証明するものとなりますので、依頼票と同じく失くさないようにお願いします。失くされた場合の再発行費はランクに応じて変わりますので、Fランクですと1万レギルとなっております」



 初期の1万レギルは高い。



 失くさないよう大事にしないと。



 俺はギルドカードを受け取ると、失くさないよう荷物鞄にしまいこんだ。



【冒険者登録完了!】



【報酬:ジョブクリスタル ①戦士②魔術師③剣士④弓士⑤テイマー】



 報酬選択か……。初期ジョブになるから、一番効果の高いやつにしとくか。



 戦士のジョブを選ぶと、透明のクリスタルが俺の手に現れ、情報ウィンドウが開く。



 ―――――――――――――――――――――


 ランク:コモン


 ジョブ:戦士Ⅰ


 効果:HP+100 ST+100


 価値:1000レギル


 ―――――――――――――――――――――



 さらなる脳筋化に向かっての強化という感じだ。



 透明のクリスタルを強く握ると、砕けて光が俺の身体に吸収された。



「このようにジョブ・スキルクリスタルを使用すると、ジョブやスキルでキャラクター能力が向上したりもします。各ギルドで販売されてる物もありますし、ダンジョンに隠されている物もあるので、レアなジョブ・スキルクリスタルを見つけたら習得することをお勧めします」



 試遊版にはなかった機能だな。



 試遊版のキャラは、スキルは固定されてたし。



 ジョブ・スキルクリスタルを使って、さらに自キャラを強化していけるって仕様らしい。



 いろんな組み合わせしだいで、発揮できる力は全く違ってくるということのようだ。

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