第6話クリスマスデートとヤンキー彼氏の話。
今日はクリスマス。先輩とイルミネーションデートの予定だ。
「ピロン」
不意にスマホの通知がなる。
大学の授業が長引きそうだからこちらに来て欲しい、との事だった。
「ここからすぐのとこなんだ…。」
送られてきた場所は待ち合わせ場所から5分もかからない場所だった。
「来て貰ってごめんな、おまたせ。」
「大丈夫ですよー…って先輩?!」
振り返って先輩の姿を確認するとそこには金髪になった先輩がいた。以前はブラウン系統で大人しめな感じだったためかギャップの破壊力が凄すぎる。
「美容学部の子に髪染めのモデルになって欲しいって言われて、色々やっとったら時間かかってしもーた。」
申し訳なさそうに言う。
「全然大丈夫です!そんなことより…可愛すぎだし似合いすぎてます。これ以上好きにさせないでくださいよ…。」
思わずにやけながら言った。金髪の先輩もやんちゃな感じがして可愛い。
「ありがと、そんな褒めて貰えると思わんかったわ…はずいなぁ。」
顔を赤くしながら言う先輩、可愛いすぎる。
「じゃあ、行きましょー!」
俺は先輩の手を引きイルミネーション街へと向かった。
「わぁーめっちゃ綺麗やな!」
「ツリーでか!!」
大きなオブジェがずらっと並ぶ。
「桃瀬くんと来られてほんまよかった。」
「去年は電話だけでしたもんね…俺も嬉しいです!」
去年は先輩のスケジュールの都合が合わず会うことが出来なかった。
「やっぱ12月ともなると寒いですね…。」
寒さからか息が白く染る。先輩と繋いでいる方の手は暖かかった。
「先ご飯食べいく?ここから少し先にあるレストラン美味しいとこなんよー。」
という訳で、お店でご飯を食べることになった。
「先輩、これプレゼントです!」
「ありがとー!開けていい?」
前日に悩みに悩んで選んだのは先輩に似合いそうなネックレス。
嬉しそうに付けてくれた。
「すっげー似合ってます!」
「じゃあお礼にこれ、私から。」
と、可愛い包装のプレゼントを渡される。
中身は俺が前から欲しかったピアスだった。
「前デートした時欲しそうにしとったから。」
「ありがとうございます!一生大切にします…!」
感動しながら言った。
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「ただいまー。」
桃瀬さんとのクリスマスデートが終わった律さんが帰ってきた。
私、みーちゃんこと宮野は弟分である如月と律さんを迎えた。
「…!髪色変えられたんですね、素敵です。」
「ありがと、学校でやってもらったんよ。これみんなにお土産やから。」
嬉しそうに如月が受け取る。
「みーちゃんもクリスマスの夜までお勤めご苦労さま。今日くらいは早く上がって良かったのに…ありがとね。」
「いえいえ、独り身なので。もっと仕事貰いたいくらいです。」
苦笑いしながら言った。実際のところ組の仕事は無いに近い。律さんの働きがほとんどだ。
「そういえば以前から気になっていたんですが…桃瀬さんには組のこと仰って無いんですよね?」
「せやな、怖がられてしまうかもしれんし。言うタイミングなくしてもーたから。」
少し不安そうな顔をした。おそらく桃瀬さんに言ってしまうと離れていく不安があるのだろう。
「桃瀬さんなら大丈夫だと思います、きっと。」
「…そーやな。」
にこっと安心したように微笑んでいた。
こうして今年のクリスマスは幕を閉じた。
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