第2話(2) ギルドから追放

  ローグとさくらは冒険者ギルドの入口に到着し、受付の若い男性係員が緊張した様子でローグに挨拶した。


  「すみません、急いでいます。【鑑別認定サーチ】ができる人はいますか?」ローグが係員に尋ねた。


  「申し訳ありませんが、この場所では【鑑別認定サーチ】の対応はできません」係員は申し訳なさそうに頭を下げて謝った。


  (本当にいたら、テキトーに言い訳で逃げなければならない。)とローグは心の中で思った。


  【鑑別認定サーチ】は冒険者ギルドが厳重に管理しているスキルで、持っている者は少ない。それでもローグは、まずはこの最も危険な要素を排除したかった。


  「分かりました。それでは直接中に入れますか?」ローグは額に手を当てて前髪を持ち上げ、額にある細長い傷跡を見せた。それは彼が職業手術を受け、職業ギルド冒険者である証明だった。


  「大変申し訳ありませんが、ギルド内の安全を保つために、規則に従ってすべての入場者はステータスの確認を受けなければなりません」係員は怯えた様子で語った。


  「おい、新人!こういうとき職業ギルド冒険者の言う通りしろ!」その時、受付の反対側から別の係員が声をかけた。


  「は、はい!どうぞ通ってください……」係員は驚いて体を震わせ、ローグと彼の隣にフードをかぶったの怪しい少女にギルドへの通行を許可する。


  ローグ以前はこんな特権的行動を嫌っていた。まさか自分が危険を回避するためにこの手段に頼る日が来るとは思ってもいなかった。


  (マスター、これが冒険者ギルドですか?)


  (そうだよ、何かおかしいですが?)


  (私の知っているギルドは、同じ職業しょくぎょうの人々が互いの利益を守るために組織されているものですが、ここは私の知識と大きく異なります。正しいサポートを提供するために、マスターに冒険者ギルドの説明をお願いします。)


  (そうか、それでは先ほど通ったステータス検査所から説明しよう。)ローグが示したのは巨大な城壁の下に開かれた大門の中にある検査所だった。


  (そこはステータス検査所です。冒険者ギルドの32の入出口に設置されています。)検査所の職員が大型の測定器を使用して、ギルドに入るすべての人々のステータスを検査している。


  (そして、これがギルドの中核を成す主通路だ。その通路には、無料のシャトルバスとして機能する馬車が行き来している。)さくらの目に映るのは、二つに分かれた広い通りで、両側には馬車を乗り降りするギルドのメンバーで賑わっていた。


  (あそこがギルド付属食堂だ。)二人は様々なスタイルの食堂が並ぶ美食街に入った。


  (あちらがギルド付属宿屋だ。)二人が入ったのは住宅地で、多くの底辺冒険者が最小限のスペースで生活しているアパートがあった。


  (そして、あそこがギルド付属装備部門だ。)そこの通りには、武器屋、防具屋、アクセサリーショップがあり、冒険者たちはギルドが発行する紙幣で取引していた。


  (そして、ここが……)ローグは足を止め、目の前の巨大な建物を指さした。


  (冒険者ギルドの業務を行う受付所だ。)さくらが見たのは、白い石で造られた100メートル以上の建物で、正面の大きな徽章が飾られており、上空から見てもこの都市のような場所の中心にあるこの高い建物がはっきりと見えた。


  ローグは周囲の冒険者たちを観察し、彼らの職業を判別した。今のローグ装備のスキルは、冒険者ギルドへの潜入を目的としていて、音を立てずにさくらと情報を交換する【支配従属テイム】、潜入失敗時の迅速な撤退を可能にする【生存本能リーコン】、そして撤退時に遠距離から追手を撃退する【百步穿葉アーチャー】ていた。これは潜伏と生存能力を重視の職業。


  そして、受付所の大ホールにいる冒険者たちは、主に近距離戦闘に長けた戦士や長期戦闘に適した主教が多かった。一般の自由フリー冒険者は一つの技能しか持たず、魔物との戦いで生き残ることがやっとだった。一方、ローグは三つのスキルを持つ職業ギルド冒険者であり、これらの技能を組み合わせることで想像を超える戦闘能力を発揮できた。そのため、彼にとってこれらの冒険者の力は脅威にはならない。


  ローグは受付に向かい、その道すがら、三人の自由フリー冒険者が彼に近づいてきた。


  ローグはの足は固まり、手首が震えていた。これまで数多の隻眼蜘蛛や、勇者クロロとの戦いを経験してきたが、このように死の恐怖を感じたことはなかった。


  (くそっ、どうしてこんな時に彼らに出くわすんだ!)ローグは表情を変えず、しかし心の中では深い恐怖を感じていた。この三人の自由フリー冒険者の出会いは彼にとってこれまでで最も大きな危機。


  (マスター、提案です。深呼吸してください、それが恐怖や緊張を和らげるのに役立ちます。)さくらはローグの心拍数が異常に速いことを検出したので話しかけた。


  (ありがたい。)ローグは深呼吸し、恐怖から解放した。


  相手の冒険者が話しかけてきた。


  「おや、この娘を見たことがないね、新人の冒険者かい?」汚れた皮の服を着た、無精ひげの冒険者Aが話し始めた。


  「冒険者ギルドに初めて来たのかい?案内してあげようか?」冒険者Bはさくらに悪意のある目で見つめていた。


  「へへへ、先輩たちと遊ぶのが新人の礼儀だよ。」冒険者Cは半笑いでおどけたジョークを言った。


  (彼らと目を合わせない、できるだけ関心を引かないように。)ローグはさくらに指示し、彼女は頭を下げて三人には返事しない。


  「何してんだよ!先輩が話してるんだぞ!」冒険者Cがさくらを押そうと手を伸ばした。


  「パッ!」の声のともにローグは一言も発せずに素早く彼の手を掴んだ。もし彼らがさくらの頭の機械の耳飾りに気づいたら、すべてが終わりだ。それが目立ちより重要なこと。


  (君は嘘をつくのが下手だから、できるだけ口を開かない。)ローグはテレパシーでさくらに伝えた。


  (了解しました。)さくらは心の中で答えた。


  「キミ、俺のメンバー俺の女に何をしようとしているんだ?」ローグは体の震えを抑えながら、できる限り怒りの声色で言い、彼らの手を押しのけた。


  「はぁ?職業ギルド冒険者だからって偉いのか?」冒険者Cは自尊心を傷つけられたように怒鳴った。


  (職業ギルド冒険者という身分でさえ彼らを脅かせないのか?なら力で威嚇を試しよう?)


  「じゃやるか?俺かなり怒ってるから、お前らの命は顧みないぞ!」ローグは内心で彼らが自分の圧倒的な力に恐れをなして手を引くことを祈った。


  「はっ!怖くねえよ、俺はガキの頃から喧嘩ばっかりしてたんだ!」でも、冒険者Bは愚かすぎて自分の力を見誤っていた。


  (申し訳ありません、マスター。私はこの三人の危険性が理解できません。これからのサポートが難しくなります。状況を説明してください。)さくらは疑問する。


  (まだこの状況がどれほど危険か分からないのか?どれだけ常識がないんだ?)


  (大変申し訳ありません。)


  (そんなことで謝る必要はないよ。それでは説明しよう。)


  (彼らの職業は遊び人で、スキルは【一獲千金ギャンブル】。戦闘中にたまに強力な会心の一撃を出すことができるが、ほとんどの場合は変な動きで攻撃が失敗する。労せずして大金を手に入れたいの人が選ぶのスキルだ。)


  (だから、冒険者たちは遊び人とパーティを組めない。もしギルドのランダムパーティシステムで彼らとパーティを組まされた場合、彼らをバスレ職業と揶揄する。)


  (彼らはいつも何もすることがなく、ギルド付属カジノで小銭を稼いでばかり。クエストを行わず、自分を鍛えず、他の冒険者に迷惑をかけばかり。社会の害虫と言える存在だ……)


  (すみません、マスター。まだ彼らの危険性が分かりません。)


  (え?そこまで言ってもまだ分からないのか?)


  (私はアンドロイドですから、戦闘能力についての理解にはまだ誤りがあるかもしれません。)


  (わかった、もっと簡単に説明しよう。)


  (彼らは弱いので、クエストを遂行できない;クエストをしないので、彼らは暇;暇なので、他の冒険者を観察する時間がたくさんある……)


  (つまり、彼らはギルドにとって「冒険者がギルドに逆らう意図がないか監視する」最適な人材なのだ!)


  (すみません、まだテレパシーに慣れていないので発音が少し変ですが、もう一度彼らの身分を言います……)


  (ギルド付属憲兵隊、職業名遊び人ジャスティス!)


  遊び人ジャスティス達は怒りに満ちた顔でローグをにらみつけ、周囲の冒険者たちは彼らの注目を避けて慌てて逃げた。彼らは道徳心もなく、小銭のために卑劣な行為を平気で行う;そして無知で暴力的。権力のない自由フリー冒険者が彼らと普通に交渉しようとしても、抵抗を許されないの暴力に遭うだけ。だから、多くの人々はギルド付属憲兵の目を引くよりは、三頭魔龍を討伐するクエストを受ける方がマシだと考えている。


  このため、遊び人ジャスティスはギルドにとって貴重な人材とされ、重宝されている。


  (さくら、もし喧嘩が始まったら、すぐに安全な場所へ逃げて。僕も機会を見つけて負けたふりをして逃げるから。今日はもう情報を得ることは無理そうだ。後でまた合流して次の計画を練ろう……)


  「あらあら、ここはどうしたのかな?」という変な声が階段から聞こえ、一人の人影が二階から降りてきた。


  ローグは目を見開き、恐怖に震えた。絶対に憲兵団の注目を避けなければならない最大の理由は、この声の主と出くわしてはいけないからだ。彼は夢にも思わなかった、こんな日が来るなんて!


  「おっす、ボス!」三人の遊び人ジャスティスはその人物に対して冗談交じりの敬礼をした。


  (マスター、あの人は誰ですか?)


  (遊び人ジャスティスの上位職業。ギルド付属憲兵団団長--道化師裁き者!)


  道化師裁き者は、赤い輪が描かれた白い服を着ており、その肥満した体は服の太い縞模様によってより強調されている。頭には小さな円錐形の帽子をかぶり、その先にはふわふわのポンポンがついている。その滑稽な姿は人々を笑わせる。かつて彼にはまともの名前があったが、その風貌からビエロと呼ばれるようになり、やがてビエロが彼の名前となった。


  「へえ、こちらの冒険者は興味深いな。ああ、思い出したよ……君は今、指名手配中の狩人ローグだろう?」


  「すいません、意味が分かりません」ローグは応じた。


  「いやいや、毎週三人の指名手配犯の顔と名前を覚えるという大変な仕事がありますから、俺は冒険者たちの公敵の顔を非常によく知っているんですよ」とビエロはゆっくりとローグに近づき、今は【生存本能リーコン】で逃げることも無駄。ビエロのスキルは、ローグが逃走の気配を感じた瞬間に彼の命を止めることができる。


  「君は勇者パーティを裏切り、そのメンバーを殺害し、魔族陣営に亡命し、貴族から賄賂を受け取り、冒険者ギルドを転覆させようとした、罪状は枚挙に暇がない通緝犯だ」


  (冤罪が増えすぎだろう!)


  ローグは自分が冒険者ギルドの最重要指名手配犯になっていることをまだ知らない。彼はギルドの暗部を知り、世界から抹消されるはずだった戦闘メイドGenerative AIを持つ自分がギルドにとってどれだけの脅威かを理解していない。自分はギルドにとってただの職業ギルド冒険者だと思い込み、堂々とギルドに入ったんだ。だって、目の前に起きたこの最悪の状況なんて、まずあり得ないと思っていた。


  冒険者の死神と呼ばれるビエロが自分を探しているという事実を目の当たりにし、ローグはついにこの歪んだ世界の氷山の一角を垣間見ることになった。


  「それは私じゃない、たまたまその人と名前が同じなだけだ」ローグは反論を試した。名前は簡易なステータス確認で判別できるので、適当に名前を偽ると逆効果になる。


  「そして顔もたまたま似ているのか?」ビエロはあごに指を当ててローグをじっくり観察した。


  「それに、もし本当に君が言う通緝犯だったら、こんなに堂々と冒険者ギルドに入るわけないでしょう?あなたがいるこの場所に!」


  ローグは自分がビエロに追われる可能性があることに何の対策もせずにギルドに入った、非常に重大で愚かな間違いを犯したことを知っていた。しかし、彼は頭の中で急速に考え、こんな愚かなミスを犯すはずがないと言うことを逆手に取って弁解することを思いついた。


  「おやおや、正しいことを言われてしまった!反論できないな!」ビエロの顔は濃い化粧で装飾され、誇張した微笑みを浮かべているが、その瞳は計算高く冷徹だ。「でも逆に考えてみると、ローグと同じ名前と顔を持つあなたが、なぜ怖がらずにここに入ってくるのかな?」


  ローグは言葉に詰まった。


  確かに、普通の職業ギルド冒険者なら、指名手配犯のローグの悪行を知らないはずはない。彼には何と言い訳すべきか思いつかなかった。


  「まぁ、冗談はここまでにして。顔や名前はどうでもいい。」ビエロの顔に殺意が現れる。「俺は【鑑別認定サーチ】を使う、大人しくステータスを見せろ!」


  実際、誰もが顔や名前などの些細な情報を覚えているわけではない、脳の容量には限りがあるから。相手の身分を確認したいならば、ステータスの確認が最も確実な証明方法だ。


  冒険者ギルドが禁止したのスキル【鑑別認定サーチ】は、肉眼で対象者のステータスを直接調査する能力を持つ。その調査範囲は、【王者号令ステータス】のように名前や職業、表面的な戦闘能力だけでなく、レベルや筋肉の成長、内臓の状態、オナニーの回数まで詳細にわたる。


  しかし、このスキルを使うには大きな精神的負担があり、対象者が近距離にいる必要がある。魔物との戦闘で細かいステータスをチェックするより、戦闘スキルで直接敵の強弱を判断する方が有用であるため、大型の魔物討伐や特別なミッションでのみ役立つ弱いスキルである。しかし、冒険者のステータスがギルドに把握されている現状では、これはローグに死刑宣告を下す恐ろしい能力だ!


  ローグのステータスがギルドの記録と一致すれば、ローグの身分は確定され、その場でビエロによって抹殺される。


  (マスター、提案です。私が彼を引き留め、【一獲千金ギャンブル】の目標から逃れる隙を作ります。マスターはその間に逃げてください。)


  (何だって!君を犠牲にして逃げろというのか!)


  (マスター、使用者安全が最優先です。感情に流される場面ではありません。)


  (でも……)


  (マスター、私たちが人間ではないことを忘れてはいけないというルールを覚えていますか?それは、今のようなマスターの感情起こさないのために設けられたものです。)


  (…………。)


  (命令してください。)


  二人が心の中で意見を交わす間に、ビエロの手が徐々にローグに近づいてきた。もはや議論する時間はない。ここで死ぬか、さくらに代わりに死んでもらうか、ローグはすぐに決断しなければならない!


  「道化師裁き者、ギルド長がすぐに呼んでいる。怒っているみたい。」クールな男性の声が空気を切り裂き、現場の雰囲気を変えた。


  「え?」ビエロはローグから注意を逸らし、【鑑別認定サーチ】を中止した。


  声の主はクロロ。ローグは彼が魔王城を探索した時の鎧をまだ着ていることに気づいた。


  「どうしたの?ギルド長は待つのが嫌いなのを知っているだろ?」クロロが急かした。


  「いや、ちょっとここでトラブルが……勇者、この職業ギルド冒険者を知ってる?その指名手配犯ローグと似てる顔と名前をしてるんだけど。」ビエロが尋ねた。


  「ああ、彼とは勇者パーティ以外の任務を一緒にこなしたことがある。信頼できる狩人だ。」クロロはローグに一瞥を投げながら言った。


  クロロは嘘をついていなかった。彼は確かに以前狩人としてのローグと非勇者パーティのミッションを行ったことがある。ただ、そのローグが通緝犯であるとは言わなかっただけだ。


  「それなら仕方がない……行くが。」ギルド長の命令はまだ身元が不明な人物の調査よりも重要。そのため、ビエロはローグの調査を断念し、クロロを迂回して階段を上がった。


  「ありがとう、勇者。」ローグが言った。


  「何言ってるかわからないけど、ギルド長の命令で道化師裁き者を探しに来ただけ」クロロは振り返り、階段を上がっていった。「次はちゃんと気を付けろ!」


  クロロとビエロが去った後、ローグは三人の遊び人ジャスティスを見つめた。


  「あぁ、腹立つな、飲みに行こうぜ。」彼らはローグが勇者クロロを知っていることに気づき、ついに彼を絡むをやめて、ホールを去った。


  ローグは床に座り込み、大きく息を吸い込んだ。心臓はずっと早く鼓動していて、恐怖の圧力で息が苦しかった。


  「マスター、周りに変な行動に気づかれる前に立ち上がって。」さくらは敵の地にいることを彼に思い出させた。


  「わかった、カウンターに行こう。」ローグはすぐに立ち上がり、意識はさっきの危機から逸らし、目の前の仕事に集中した。


  クロロとビエロはギルドの最上階の部屋に到着した。そこには、豪華な二メートルの高さの大扉があり、その後ろにギルド長のオフィスと寝室があった。


  「ギルド長、到着しました。何かご用ですか?」クロロがデスクに向かって尋ねた。


  「遅い!私が呼んだ時は0.0001秒で来る!」デスクの後ろには人影はなく、代わりに約10センチの黄色い円筒状の物体が怒鳴っていた。


  その円筒は細長い葉っぱのような手足が付いており、寝室の扉に繋がる電線が付いている。これは精巧に作られた通話装置で、ギルド長が寝室からこの装置を通じて話していた。この装置は話者の感情を反映し、怒りの時には両手を挙げて激怒の表情を作る。普段は豆粒のような黒い目が、白い逆半円形に変わっていた。


  「それは申し訳ありません。ギルド長を楽しませる新しい芸を見せて、気を紛らわせましょうか?」ビエロが腰を曲げ、両手をこすり合わせて通話装置の機嫌を取ろうとした。


  「いやいや、それはいい。聞け!」と通話装置が足をバタバタさせながら怒っている。「スキル本に飽きたんだ!何とか改善してくれ!」


  「ギルド長、スキル本はあなたが冒険者の脳を食べる代わりに考えた代替案です。今更別の食べ物を求められるのは、私たちに迷惑です」とクロロが静かに答えた。


  「ああ!勇者!最初にスキル本を食べる提案をしたのはお前じゃないのか!どう責任を取るつもりだ!」と通話装置がテーブルの上で跳ね回り、激怒している。


  「そう言われても、スキル本を代替案として提案したの原因は、あなたが冒険者の脳を食べ続けると、後処理が難しく、ギルドの運営に支障が出るから」


  「その言い訳はもう聞き飽きた!勇者、今日からお前は冒険者ギルドから追放だ!」と通話装置はクロロを指差しながら叫んだ。


  このわかままの叫びにより、勇者クロロは公式にギルドから追放された。


  「分かりました。ここにいる資格がないので、これから去ります。これからは呼ばないでください」とクロロは平然として扉を開けて去った。


  「申し訳ありません、ギルドにはあなたが必要です。どうか戻ってきてください」と通話装置がテーブルの上で滑稽な膝まずくポーズをとった。


  「分かりました」クロロが元の場所に戻った。


  そして次の瞬間、勇者クロロは再びギルドに加わった。


  「ギルド長、提案があります。ギルド長はまだ動物の脳を食べることができるはずです。スキル本と動物の脳を混ぜて新しい料理を作ってみませんか?お好みに合うかもしれません」ビエロが通話装置に向かって話した。


  「ああ、それはいいね。それじゃあ私専用のシェフに新しい料理を作るように命じるわ。最低でも10種類以上!」と通話装置の目は半円形の線になり、喜んで葉っぱの手を振った。


  「他に用事がなければ、他の業務に取り掛かります」クロロが言った。


  「ああ、大丈夫、どうぞ。ただ、次に呼んだ時は0.0001秒で来てね」と通話装置がクロロに手を振り、明らかに機嫌が良くなっていた。


  クロロはギルド長の部屋を出て階段を下りた。


  「狩人……いや、追放者よ」クロロは見えないの人に話しかけた「私は常に冒険者を守るできるの側に立ち、自分のやり方で冒険者を守り続ける。それだけ、絶対に変わらない!」

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