第25話(第2部)
「ねえコバルト、ニュースが2つある。どっちから聞きたい?」
僕とコバルトは、いつものように海中を前進していた。
海中は海中だけど、まだ基地を離れてはいなくて、ゲートを出てすぐのところ。
視線を上に向ければ、大きいのや小さいのや、様々な軍艦の船底が笹の葉のような形をして、あちこちに浮かんでいるのを見ることができる。
戦争が始まって数か月がたち、前線の生活には僕も慣れつつある。
言い忘れていたけど、僕のようにサイレンに乗る者のことを、ストロベリーではライダーと呼んでいた。サイレンライダーだ。
戦争って、どんなふうかって?
さあ? 僕が目にしているのは、前線の一部の一部の、そのまた一部に過ぎないからね。全体像なんて分かりっこない。
そういえば、あるとき戦艦ヤマトを見たよ。
夜間、遠くにチラリと見かけただけだが、あまりのでかさに、コバルトと2人して口をポカンと開けた。でも、まさか攻撃命令が出ていたわけじゃなし、そのまま見送った。
巡洋艦を家来のように何隻も引き連れて、ヤマトはずっと南へ下って行ったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます