第7話 <反復練習><真剣味>

さて、この図書館の女性についての夢ですが、この女性は「お茶」か「太極拳」か「トランペット」か、何かのアプリケーションで、何かの動作を、何万回・何百万回繰り返している。しかもそれは趣味やお遊びではなく、真剣味をもってやっていた、と私は夢の中で確信しました。

 

<ヤクザと警察官の真剣味のちがい>


真剣味に関しては、まさに警察官ではなくヤクザの世界が本物でしょう。

警察官とは、痴漢・万引・覗き・ストーカー行為、強請り・集り等々、どんなに悪いことをしても、報道で名前も顔も公表されず、訓告・減給10分の1を3ヶ月間、なんていうお遊び・お飯事(ままごと)でごまかしてしまう世界です。

警察という組織・システムがそうなっているから、どんなに優秀な在来種純粋日本人が警察官になっても、次第に韓流化していく(真剣味のない人間になっていく)。 → 「腐った水はdull boyを作る」なんていう英語の諺があります。


一方、(日本人の)ヤクザとは、殺(と)るか、とられるかの世界。

ミスをしたら指を詰めさせられる(出刃包丁で指を切り取る)、フィリピンへ送られて臓器を抜かれて殺される、という超真剣勝負の世界(浅田次郎「殺(と)られてたまるか」)です。

組に入った新入りは、先ず便所掃除をやらされる。「掃除終わりました(きれいに掃除しました」と言うと、兄貴分がこう言う「じゃあ、便器を舐めてみろ。」と。それができないと、ボコボコにされる(「ヤクザは人間をどう育てているか」 → 40年前に読んだ本)。

警察やヤクザという商売以前、ヤクザの世界とはその生き方自体が真剣度100パーセントなのです。


  例えは悪いですが、夢の中なので許してもらいましょう。

この女性の真剣味・集中力に関しては、まさに「ヤクザの世界」に比肩する、と私は感じました。

薄らぼんやりした人間ばかりの「警察世界」とは次元が違う。彼女の一挙手一投足に、大徳寺で見た「茶道の家元」と同じ真剣味・集中力、本で読んだヤクザの世界の真剣味を見たのです。


私が東京のある禅寺で住職をしていたとき、先々代の亡くなられた住職、その奥様(85歳)に、ある女性が訪ねてこられました。

たまたま私が玄関で応対し、お通し申し上げたのですが、その時の彼女の礼、靴を脱ぐ、下駄箱にしまう等の動作に「スキがない」「洗練されている」。

後で聞いたことには、その方はJALの元スチュワーデスで、表千家の宗匠である奥様のお弟子さんだったのです。

なんでも、表千家の宗匠になるには200ステップのお点前の手順という「試験」があるのだそうです。そして、奥様の何百人ものお弟子さんのうちで、それを一回でできたのは、そのスチュワーデスただ一人。奥様がその女性に初めて200もの手順を実演して見せた所、彼女は一つも間違えることなく、且つ流麗に、それを再現したのだそうです。

畏るべしJALのスチュワーデス。

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