第17話 潜入。まずは接触から

数日後、私は首領へ軽く挨拶を済ませてから目的の組織へと向かった。


「確かこの辺り……見つけた。」


私は目的の人物を見つけ小さく笑みを浮かべ、そっと近寄った。


「……人に近寄る時は笑顔の方がよろしいですよレディ?」


「あらごめんなさい。これでも笑顔を心がけていたのだけれど……お気に召さなかったかしら?」


「おや口が上手なようだ。それで僕に何か用ですか?」


「貴方が蓮華会の幹部の一人ということは知っています。そんな貴方にお願いがあるんです」


「お願い?聞くだけは聞いてあげますよ」


彼はそう告げたあとスっと目を細めた。こちらを警戒するような目付き。私は小さく息を飲んだあと少し悲しそうな表情を浮かべてみせた


「実は私前まである組織に身を置いてたのですが……捨てられてしまったんです。私はもう家族が居ないのでもう路頭に迷うしかなくて…」


どうすれば懐に潜り込めるか。それだけを考えて私は口を動かした。すると彼は少し考えたあと「ならうちに来るといい」と告げてきた。私はニコリと笑みを浮かべ「ありがとうございます」と告げた。



さぁ潜入開始だ。あの薬に関与しているなら私は貴方達、蓮華会を許しはしない。

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