第16話 単独任務?

次の日、私は首領の部屋へと足を進めていた。理由は能力の名前が書かれた紙を渡すため。手の中にある紙を軽く握り目的の部屋へと辿り着いた。


「失礼します首領。」


「あぁどうぞ彗羽。」


「昨日仰った能力の名前。決まりましたのでお知らせに。」


私はにこりと笑みを浮かべ持っていた紙を差し出した。その紙を見た首領は少し考えたあと頷き「いいと思うよ」と告げられた。


「では私はこれで……失礼します」


「そうだ。丁度いいから今話してしまおう」


「……?なにかありましたか」


「彗羽。君に単独任務を命ずる。」


単独任務……?この人本気で言っているの?まだ幹部の人達について任務をするので精一杯なのに?



「……首領。その単独任務というのは?」


「ある組織に潜入して欲しくてね。組織の名前は蓮華会れんげかい。」


「……潜入任務ですか?でも私やった事……」


「やってくれるね?」


「……はい。やります」


首領はにこりと笑みを浮かべながら頷き手元にある資料を渡してきた。そこには潜入先である蓮華会の情報が書かれていた。


「……あれこの薬の名前……」


「夢奏薬。この組織も関与している可能性も高い。その情報を掴んできて欲しい。」


「……分かりました。」


私は握っていた書類をクシャリと握りしめ首領にそう告げた。スラムに住んでいる人を壊してしまったあの薬の開発に関与しているなら許せなかった。



「首領、もしこの組織が薬の開発に関与していた場合どうしますか?」


「そうだね……殲滅に移る。その時は彗羽も加わるように。」


「了解しました。では失礼します」


私はそう告げて首領の部屋を後にした。

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