第15話 教えられた私の能力
あの日の鈴白さんとのお茶会が終わった日から首領に任される仕事は何故か鈴白さんと組まされることが多くなった。仕事を覚えるのは楽しい。こんな私でも役に立ててると思ってるから。
「でも……少し疲れたな……」
そう呟いて私は小さくため息をこぼした。そのまま眠ろうと目を瞑った時コンコンとノックが響いた。瞑っていた目を開きほんの少しの既視感を覚えながらドアを開ければそこには首領が立っていた。
「首領……!?」
「おや、私が君の部屋に来るのは変かな?」
「……いえ。むしろ私が行くべきだと思っていたので……それでどういった御用で?」
私は首領を自分の部屋に招きながらそう問いかけた。
「最近、紅奈くんと組んで仕事をしているだろう?その様子を聞きたくてね」
「……楽しくしてますよ。色々教えてくれるので覚えがいがあります。」
「それは何より。でも今日話に来たのはそれじゃあない。彗羽、君の能力についてだ」
その言葉に私の心臓はドクンと跳ねた。一番気になっていること。それが今告げられようとしている。
「……以前に言っていた事ですね。私にも能力があると。」
「あぁ。ここ暫く紅奈くんと一緒に行動させてよく分かった。君の能力は口にした理想を現実にする。でも時間が経てば元に戻ってしまう。それが君の能力だ」
「口にした理想……まるでお菓子みたいですね。」
「能力の名前は君自身が付ければいい。皆そうしている。」
「……分かりました考えておきます。」
「決まったら教えてくれるかい?いつでもいい」
「……分かりました。」
「話は終わりだ。じゃあ私は失礼するよ。」
首領はにこりと笑みを浮かべながら私の部屋を出ていった。1人残された私は小さく息を吐き告げられた能力について考えていた。スラムに居た時は多分能力なんてものはなかった……ならいつこの能力が私に……なんて。考えるのは疲れる。それでも1つ考えるものがある
「名前、考えないとね。」
私はそう呟きそっと目を瞑った。自分の理想をそのまま現実にする能力。でも時間が経てば元に戻る。まるでお菓子みたいなそんな理論。
「……思いついた。」
私は紙に今思いついたことを書いた。そこにはこう書いておいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます