第14話 普通のお茶会…?

次の日、私は首領に言われた言葉を思い出していた。【君にも能力がある】その言葉だけがずっと頭に残っていた。そんな能力があれば何故私は使えないのか。それを考えれば考えるほど頭が痛くなった。


「……馬鹿馬鹿しい。本当に能力なんてあったらスラムで暮らしてないわよ……」


その言葉は部屋に小さく響いた。私は考える事をやめてそっと目を瞑り意識を手放そうとしていた時、部屋のドアをノックする音で目を開いた。


「はい……って鈴白さん……どうしましたか?」


「この間の仕事の件、青宮くんから聞いたので様子を見に来たんですよ」


「……そうですか。何も問題ないので大丈夫です失礼します」


「まぁまぁ。そう言わずに……少しはお茶の相手をしてくれても良くなくて?」


「……何もお出し出来ないのですが。」


「なら私の部屋で。待ってますよ彗羽さん」


彼女……鈴白さんはそう告げて自分の部屋へと戻って行った。



「……幹部様からのお誘い……ね」


幹部である彼女からの誘いを断ればどうなるか分からない。私はため息を吐き軽く髪を纏めてから鈴白さんの部屋へと向かった。



「いらっしゃい彗羽さん。早かったですね」


「幹部様のお誘いですから……」


「…そう。さぁどうぞ入って。お茶を飲みながらお話しましょう?」


「……失礼します」


私はそう告げて彼女の部屋に入った。部屋に入れば微かに花の匂いがした。



「……あの。話って一体……」


早くお茶を飲んで帰りたい…この部屋はなんだか落ち着かない。それに考えないといけないことも沢山ある……というかありすぎる。


「そうね……貴方の力についてとかどうかしら?」


「私の……力?」


その言葉を聞いて私の心臓は軽く跳ねた。鈴白さんはにこりと笑みを浮かべ「貴方も興味あるでしょう?」と続けた。



「……えぇ。この間首領に言われました。私にも皆さんと同じ能力者だと。」


「そうね……なら見てあげましょうか?」


「……鈴白さんは分かるんですか?」


「えぇ。それが私の能力だもの」


「……少し考えさせてください。考えがまとまればまた来ます」


「あら残念。でもそうね……私もこれから任務に行かないと。またお話しましょうね彗羽さん」


彼女はそう告げて綺麗に笑った。私は軽く一礼してそのまま部屋へ戻り小さく息を吐いた。



「……あの人は苦手だ。」


その言葉は部屋に虚しく響いた。

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