第25話 情報源 1/2

「情報源はね」


 私らは黙って瑠璃さんの言葉を聞く。


 茶々入れるとこちゃうからな。


「RAINbowの元マネージャーさん」


「えっ」


「マジか」


 こりゃビックリ。


「デビューしてから去年までマネだったんだけど、今はもう事務所を辞めてる人」


 片方の口角を上げて言った探偵さん。


 なんか急に大人びて見えてきた。


 童顔やのに。


「どうやって知り合ったん」


 七奈の疑問はもっとも。


 どんな方法使つこうたら知り合えんねん。


「それは流石に言えない」


 ふふっ、と笑った瑠璃さんは言葉を続けた。


「元マネさんは、グループの内情をよく知っててね。ちーちゃんが事務所のお偉いさんと付き合ってるのも知ってた」


 そりゃそうか。


 ずっと傍におったんやもんな。


 知っとって当然か。


「辞めた理由がさぁ……これまた可哀想で」


「ほう?」


 可哀想?


「自分から辞めたんとちゃうん」


「当たりなんだけど」


 頭を掻きながら、


「首を切られた、って言った方が正しいかな」


「なんじゃそれ」


 呆れるように言った私に、


「その人はね、ちーちゃんに別れるように言ったのよ。いつバレるかわからんから」


「マネとしては当然の行動やね」


「うん。ただ、それをちーちゃんが彼氏にチクって――」


「え、それが原因で辞めさせられたん?」


「ご名答」


「はぁ」


 わかるで七奈。


 ため息つきたくなるよな。


 ちーちゃんがゲスなんはわかとったけど、事務所も真っ黒やないか。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る