推しの言葉だけを信じろ！

第13話 SNSライブStart 2

「ちーちゃんおらんね」

「ホンマや」

　真っ先に気づけって話やな。

「なんでやろ」

「うーん」

「わからんね」

「うん」

　絵梨たんから説明あるかな。

「今日集まってSNSライブをしようと思ったのは」

「あれ、スルー？」

「スルーしたね」

　おーん。

　仕事でおらんねやったらそう説明するはず。

　ってことはや、

「あの子、シンプルに不参加？」

「そうかもしれんね」

　その可能性大や。

　ファンなら気がついとる、ちーちゃんの樹那様への嫉妬＆嫌悪。

「でもさ、普通やったら参加するやん。どんだけ嫌っとっても」

「本人わかってるんちゃうかな。ファンに樹那様のことを嫌ってることがバレてるって」

「あー……ありえる」

「樹那の姿を見てもらいたかったのと」

「あ、ちょっと絵梨たんの話聞こ」

　自分らの話に集中しすぎや。

「本人の口から、今回の騒動について説明する機会を作りたかったからです。事務所からは反対されましたが」

「「は？」」

　七奈とハモった。

　暗い表情の絵梨たんは話し続ける。

　他のメンバーも暗い顔。

「正直言って、事務所は樹那を守ってくれていません。それは、ファンのみんなもわかっていることだと思います」

「せやな」

「うん」

　あんな記事で処分されたんやもん。

　わかりきっとるわ。

「じゃあ……私ばっかりが話していてもアレなので。樹那」

　名前を呼ばれた樹那様は頷き、

「今回報じられた全ての情報は、全て嘘です」

　真剣な表情で話し始めた。