第3幕 メンバーの絆

第8話 ライブ

 月に数回あるRAINbowのライブ。


 ついにきたぜこの日が!


 会場はいつも通り、事務所が作った所属アイドル専用のライブ会場。


 どっかのアイドルみたいやな。


 名前出さへんけど。


 キャパは300人。


 多いんか少ないんかは知らん。


 他のアイドルのライブ行ったことないし。


 興味ないし。


 あのクソ記事が出てからどうなるかと思っていたけど、樹那様抜きで通常通りライブやらグループ活動はやっていくらしい。


 ムカつくけど、他担からしたら安心よな。


 推しの存在があるから仕事を頑張れたり、生きれたりする人がおるんやから。


 で、七奈は当然のごとく有給を取得して遠征してきた。


 毎度のことです。


 よう月に何回も休めるな、って前聞いたねん。


 どうやら、普段真面目に働いているし、推し活以外で休まないから有給は割と溜まっているらしい。


 ホワイト企業っすね。


 あっ、私も勤めとった会社やったわ。


「真優っちぃ」


「おうおう」


 ライブ会場で七奈と合流。


「今日来るとは思ってなかったわ」


「いきなり言うか、それ」


「だってさぁ……」


「まぁ当然の発言やけどな」


 思わずツッコんでもたが、七奈の言うことは間違っとらん。


 正直参加するか迷った。


 樹那様おらんし。


 やって意味ないやん?


 樹那様ガチ恋信者やのに、本人おらんかったら。


 彼女以外興味ないんやもん。


 これに関して、七奈は同担拒否やから気にせーへんやろうけどさ、他担に聞かれたら殺される。


 話がそれたわ。


 結局なんで来たかっていうたら、SNSで樹那様の無罪を主張していたメンバーたちがライブでなにを言うのか気になったからやねん。


 そして、いよいよ開始時間になった。


 会場の照明が落とされ、ステージにスポットライトが当てられる。


 メンバーたちはゆっくりとした足取りで、真剣な表情で現れた。


 いっつもやったら登場とともに曲が流れだす。


 でも、今日はちゃうかった。


 リーダーの絵梨えりたんがマイクを口に当て、


「今日も来てくれてありがとうございます。曲の前に、みなさんにお話ししたいことがあります」


 落ち着いたトーンで話し始めた。

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