第12話 王宮の下でダンジョンだ。とさ1
「さぁ、ダンジョンへ出発だ」
「出発しましょう」
俺はティミィとティナの二人を連れてリリィが教えてくれた秘密の入口とに来ていた。
何もない倉庫の椅子に座ると、螺旋階段が現れる仕組みというものだ。
明らかに妖しいその入口。入っていいものだろうか。
「リコス様、皆さまが入られる前に、私が探知魔法を使用して内部を調査します。ある程度のマップ掲載も可能です」
「それはありがたい。リリィありがとうな」
リリィはの足元に灰色の魔法陣が形成され、煙が発生したかと思うとその煙は上に向かうことを逆らい、螺旋階段に吸い込まれるように入っていく。
「探知完了まで、しばらくお待ちくださいませ」
「フリソスはどうした?」
「はい。ご主人様でしたら、リーファ様とプールで豪遊するとおっしゃってました」
「あぁ、全然この国をどうにか救いたいとかいう気持ちを、微塵も感じないのは俺だけか」
「ガンバだよ。リコス」
「二〇〇年も放浪していた元魔王ですから、統治能力が下がっているんですよ」
「そん気がするかも」
俺一人で頑張っている気がしてならない、今日この頃を嘆く。
「リコス様、探知が完了しました。それとマップを形成いたしました」
「おう、ありがとう助かるわ」
俺はマップを受け取ると、早速宝物庫の場所にめぼしつけることにした。
「あのリコス様、中はアンデット系モンスターが徘徊しおります」
「アンデット系とは厄介だな」
「こんなこともあろうかと、じゃじゃーん、聖水を用意したぜ!」
「さすがティミィ。にして数は?」
「八〇本あるけど足りるかな」
「物理攻撃が可能なのは俺に任せろ、実体のない幽霊系を聖水で頼むわ」
「合点招致! ティナも半分持ってな」
「はーいです」
地図を見ていた俺はあることに気づいた。赤い点が動いているのだ。
「リリィ。マップの赤い点が動いているんだけど、これって何?」
「こちらはモンスターの配置でございます。ほとんどが低級のアンデットでございますので、ご安心くださいませ」
「へぇ、そこまでわかるんだ。便利なマップ機能だね」
「恐れ入ります。でも気お付けてくださいませ。罠などはマップには表示されておりません」
「あの肉塊のことだから、モンスターを配置しているってとことだけじゃ済まないだろうな」
「なにか罠があるのでしょうか。怖いですわ」
「二人は俺がちゃんと守るから安心しな」
「さすが私達の頼れるリコスだね」
「安心でございます」
さっそく装備を整え螺旋階段を下りていく。
「言ってくるぜ、ねーちゃん」
「いってきまーす」
「お気をつけて行ってらっしいませ」
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