ピンク

有広ひろや

秘めごと

 高校生活最大の思い出と言ってもいい二年生の行事、修学旅行。宿泊地の大阪に着いてからだけでなく、移動中のバス内ですら歓喜の渦に飲まれていた。

「先生! 今日ぐらいは先週のテスト結果なんて忘れてもいいですよねー」

 間延びする明るい男子生徒の声が、バス前方に座る先生の元へと飛んで行った。普段以上にテンションの高いクラスメイト達だったが、きっと、私百瀬(ももせ)雛(ひな)だけが移動中の車内を心から楽しむことが出来ずにいた。

乗り物酔いをしやすい私は酔い止めを持ってきたかと思っていたものの、持ってくるのを忘れたらしい。酔い止めを飲めずにバスに乗り込んでしまった。窓の外を見つめ酔いと懸命に戦っているからか緊張感だけが強くなっていく。

──まさか体調不良で休んでしまった日にバスの座席が決められていたとは思いもしなかった。翌日、友人からバスの席と旅行中の班のメンバーを聞き唖然としてしまったくらいだ。

「雛、あたしの隣でもよかったよね?」

 幼馴染の立石(たていし)茜音(あかね)に声をかけられた途端に頷いたが、バスの座席も彼女と隣、その上一緒の班になっているとは想像もしていなかった。引っ込み思案で自分の意見を述べられない私と、クラスメイトの中でもリーダー的立ち位置にいる茜音ちゃんが、一緒に修学旅行を楽しめるとは思ってもいなかった。

 幼馴染とはいえ、性格の違いからか学年が上がるにつれて一緒にいる友人のタイプは異なるものになっていた。私は比較的穏やかで内気な友人と共にいたが、茜音ちゃんは男女ともに仲のいいクラスの中心グループ。クラスメイトであってもあまり交流のないグループ同士だったはずの私と彼女が何故同じ班になったのか。私が学校を休んだ日に何があったのだろう。一人考えたところで納得する答えが出るはずはなかった。

「雛ちゃん、さっきからずっと元気ないけど、もしかして具合悪いの?」

 酔いと戦い、かつ答えの出ない疑問で頭をいっぱいに膨らませたまま窓の外を静かに眺めていると、不意に前の席のクラスメイトが心配そうに声をかけてくれた。

「……大丈夫だよ。ちょっと乗り物に弱いから外を見てたんだ」

「そっか、酔い止めは飲んだの?」

「それは……うん、飲んだから平気だと思う」

 私はうそをついてしまった。あまり普段関わらないクラスメイトと話すことにさえ勇気が必要で、ここで無駄な心配をかけさせたくなかっただけなのに、──まさかあんなことになるとは想像ができなかった。弱く、臆病な自分に嫌気が差してしまう。

「そう、それならいいけど……あまり無茶はしないでね? 茜音も、何も言ってはないけど、雛ちゃんのことすごく心配してたみたいだから。ね、茜音」

 後ろの席の男子たちと会話をしていた茜音ちゃんに、野々原さんはわざわざ声をかけた。その呼び声に気が付いた彼女は振り返り、一度首を傾げていたものの野々原さんに「雛ちゃんのこと、心配してたんでしょ?」と改めて明確に尋ねられてか大きく頷いていた。

「そうだよ。雛が車酔いをしやすいのは知ってたし、窓側のほうが良いかなぁとか、意外と人と話してれば酔わないらしいからさ、バスの座席も隣にしちゃったんだけど……」

「茜音、その割には雛ちゃんとは全然話さないで後ろばっかり見てるみたいだけど?」

「ごめんごめんっ! つい盛り上がっちゃってさ」

 両手を合わせて謝ってくれる茜音ちゃんを前に、私はぎこちない笑みを浮かべてしまうばかりだった。以前なら「気にしなくていいよ」とうそでも言えたはずなのに、今は不思議と苛立ちが生じてしまう。

 決して喧嘩がしたいわけではない。そもそも自分は喧嘩をするのが好きではないのだ。だが彼女が勝手に私の座席を決めたくせに、他のクラスメイトとばかり話しているとつい腹を立ててしまった。

「いいよ。私のことなんて気にせずに話しなよ。どうせ私はもう少ししたら眠るつもりだったから」

「雛? どうかしたの、なんか雛らしくないよ。その言い方……」

 自分でも意識をして彼女に怒りをぶつけたわけではない。ただ勝手に口が開いていて、感情を抑えられなかった。

 それどころか自分自身の体の中そのものがぐちゃぐちゃだった。内側からせりあがる不快極まりない感触に私は口を両手で塞ぐ。

「どうしたの、雛大丈夫⁉」

「雛ちゃん、もしかして気持ち悪いの? エチケット袋が手前にあるはずだから、使うといいよ」

 茜音ちゃんと野々原さんの声が頭の中に木霊する。返答ができないほど今の私には余裕がなくて、ただ強く目を瞑った。野々原さんの一言で周囲のクラスメイトも異変に気が付いてしまったのか、妙にざわついていて、どんどんどんどん心音が早く、大きくなっていく。

 ──怖い。人に注目されるのも、過剰な心配も怖いよ。

 私は強く目を瞑り口を押さえ続けた。早くこの場をどうにかしたいのに「平気だよ」とうそぶくこともできない。飛び交う言葉の嵐に頭が揺れて、いつしか目を瞑っているから周囲が暗いのか、目を開けていても暗いのかが全く分からなくなってしまった。

次第に意識が遠ざかるのを感じて、私は茜音ちゃんに体を預けた。


   *       *      

 

 体が揺れていない。ふわりと柔らかな感触に体が包まれているようだった。ここは一体どこだろう。軽くなった瞼をゆっくりとあげていくと、やはり車中ではなく、真っ白なシーツが目に入った。

 思い切って体を起こすと、そこは見慣れない空間が広がっていた。自分が横になっているベッドと、隣には同じシングルサイズのベッド。二日前に荷物を整理した大型のトランクが床に置かれていて、扉前の収納スペースには着慣れた制服がかけられていた。

「雛、目を覚ましたの?」

声のした先へと視線を向けると茜音ちゃんが座っていたのだ。私は彼女の言葉に小さく頷くも、状況を飲み込めないままで何も言えずにいた。

途端に茜音ちゃんが安心したように大きく息を漏らし、私を強く抱き締める。

「よかった、本当に心配したんだよ」

 耳元で囁かれたのを皮切りに車中での行動を思い出し始めた。

 私が酔い止めを忘れてしまったせいで野々原さんに無駄な心配をかけさせてしまった。自分勝手な怒りを茜音ちゃんにぶつけてしまった。素直に酔い止めを誰かからもらっておけばよかったはずなのに、「平気」とうそをついたせいでクラスメイトの視線を集める事態を引き起こしてしまったんだ。そして乗り物酔いと過剰な緊張で意識を失ってしまった。

 自分の弱さが引き起こした出来事のせいで皆に迷惑をかけた。茜音ちゃんに迷惑をかけてしまった。心配をかけさせてしまった。

 どうすればいいんだろう。茜音ちゃんの顔を直視できない。

「雛、どうして言ってくれなかったの? ……って雛のことだから言えなかったんだよね。あたしが気が付けばよかったんだ、雛が乗り物に弱いって昔から知ってたんだからさ」

 私はゆっくり首を横に振るだけで何も言えなかった。昔から変わらない茜音ちゃんの優しさに触れるだけでも、今の私にはもったいない。

 俯きながら彼女の言葉を聞いていたが、ふと気付いた。私は茜音ちゃんの体を押し離し、枕元に置いてあったスマートフォンを確認した。すると、「雛?」と疑問符を浮かべられるがそれどころではない。

「今ってさ、自由時間のはずだよね?」

「うん、だから雛と一緒にいるんだよ。先生も別の部屋に待機してくれてるから、早く報告に行かないとね」

「茜音ちゃん。せっかくの修学旅行なのに、なんで私なんかに構って全然街中を見に行かないの」

「なんでって、雛のことが心配だからに決まってるよ。同じ部屋の子を一人にしておきたくないし、あたしは雛と一緒にいたいからいるだけ。この理由だけじゃ納得してくれない?」

「納得できるわけないよ。私が悪いんだもん。私が酔い止めを忘れて、誰にも何も言わずに我慢をしてさ、結局、野々原さんや他の人たちに心配をされた途端に意識を失うとか。そんな私が原因で茜音ちゃんの時間を奪っちゃうのがイヤなんだよ。私は平気だから! 早く行きなよ」

「あたしの時間を奪うとかさ、違うよ。あたしが雛と一緒にいたいんだ。そのつもりで一緒の班に雛を入れさせたし、バスも隣同士にしてホテルも同じ部屋にした。これ全部あたしの勝手なの。雛と一緒に修学旅行の思い出を作りたかった、だから……!」

 茜音ちゃんの真剣な眼差しに心も瞳も射抜かれる。容易くそらすことのできない力強い視線に、私はもう何も言えなくなってしまった。

 私が言いたいことを言えるのは彼女だけ。ここまで自分を晒してしまえる相手は他にいない。普段は決して見せることのない怒りも、悲しみも全て茜音ちゃんに対してだから伝えてしまう。

それでも本当に伝えたいことは口が裂けても言えなかった。

「雛、あたしの傍にいて、じゃないか。雛の傍にいさせて欲しいんだ、あたしを」

車内では私に一切構わずに、他のクラスメイトとばかり会話をして気にかけてくれなかった。私のためを思ってだとか適当なことを言って座席を決め、自分からは喋りかけもしなかったくせに。

 そう思って、バスの中ではつい怒りだけが先行してしまった。

「本当に勝手だよ、茜音ちゃんは」

 だが今は勘違いをしてしまいそうだ。まるで告白をするかのように真面目に言葉を口にする彼女の言葉はうそではないのだろう。

クラスメイトに日々囲まれている茜音ちゃんが車内で私以外の人とは話さないというのが到底無理な話だ。彼女を独占できるはずはないのだから。

「茜音ちゃんは人気者だから一緒にいられない、私みたいに引っ込み思案で緊張しいな自分なんかが隣にいれる資格はないって昔から思ってた。だから諦めてたんだ。あなたの優しさは私に向けられるものじゃないって。それなのに茜音ちゃんは私の傍にいたいって思ってくれてたんだね」

「それってあたしの勝手と関係ある?」

 溜息をついた茜音ちゃんが戸惑い気味に笑った。

「ごめん、なかったかも」

「だと思ったよ」

 互いに少しずつ明るい微笑みに変わり、怒りなんてなくなってしまう。やっと彼女と落ち着いて話せている現状にただ満足し、修学旅行に来ていることすら忘れてしまいそうだった。

 けれど、私の中には忘れたくない、失くしたくない気持ちがある。学校行事という特別な日だからではない。いつか伝えようと思っていた茜音ちゃんへの感情が、今ならば伝えられるような気がした。

 もしかしたら茜音ちゃんが私に向けてくれている気持ちと、私が茜音ちゃんに抱いている気持ちは同じなのではないか。何の裏もない友情なんかじゃない、時折この身を傷付けたくなってしまうほどの暗い陰りさえ生じる愛を共に抱えているのではないかと──考えてもいいんだろうか。

 彼女の本意を聞かずにいた直前までは自分の心の奥底に封じ込めておきたかったはずの感情が、今となっては溢れだして止まらない。

「ただ……茜音ちゃんにはちゃんと伝えたかったんだ。私の考えていることを」

「雛、教えて。雛の気持ちを」

 優しく微笑んだ茜音ちゃんは床ではなく、隣のベッドに座り込むと私の話に耳を傾けてくれた。まさかこれから自分が告白を受けるとは思ってもいないだろう彼女は、私の小さく震える手を握り締める。たったそれだけの、ただ手を握るという行為だけでも私の心は大きな音を立てて鼓動してしまう。

「私ね、茜音ちゃんが私の隣だって知った時、すごく嬉しかったしドキドキしたんだ。茜音ちゃんが私を心配してくれてわざわざ隣の席にしてくれたって聞いた時もね。だけど、私を心配してくれてるはずの茜音ちゃんは他の子たちとばっかり話をして、全然私を構ってもくれなかった。元はと言えばさ、私が乗り物酔いをしやすいのも、引っ込み思案なのもいけないんだけど、それでももやもやしたんだ。言っていることもやっていることも違う。本当に心配してくれてるんだったら、他の人たちになんか構わないで、私だけを見てよって」

 自分勝手なのはどっちだろう。私じゃないか。彼女の人気も、優しさも分かっているはずなのに、まるで自分自身を中心に世界が回っているかのように考えて──こんな私は自分でも嫌いだ。茜音ちゃんに嫌われたって仕方ないのに。

 言葉は止まらなかった。

「そんなことを考えていたらさ、ますます気分が悪くなっちゃって、気付いたら平気で茜音ちゃんを悪く言っていたし。心配してくれているだけの皆の言葉や視線が怖くて意識を失っちゃった。誰も何も悪くない、ただ私が弱かっただけなのに」

「雛。雛は弱くなんかないよ。乗り物酔いをしやすいのは個人差もあるし仕方がないこと。ただ、そのあたしがこんなことを言っていいのかは分からないけど、雛さ、もしかして嫉妬してた?」

 思いがけない茜音ちゃんからの問いかけに私は首を傾げた。

嫉妬? 自覚はなかったけれど、そう受け取られることもあるんだ。

「違ったら言ってね? なにより必死に酔いと戦ってたんなら、そんなことを考える余裕もなかった可能性だってあるし」

「嫉妬か、そうかもしれないね。私嫉妬してたのかも。茜音ちゃんと仲良く話してた、他の子たちに。だって、私さ、あなたのことが」

「好き? あたしのこと」

 私の手を握る茜音ちゃんの手が少しずつ力を強めていった。決して痛みはないけれど驚いてしまう。手に込められた力以上に、私を何の迷いもなく見据える力強い彼女の瞳に。

「好きだよ。茜音ちゃんのこと」

 ただここで目をそらすわけにはいかなかった。上手く言葉では伝えられない私の感情を、彼女を見つめる瞳に込めたつもりだ。

「あたしもさ、雛のことは昔から好きだったの。今まで伝えたことなんてなかったけど、それとは別に前々から思っていたこともあって。あたしってそんなに頼りないかな?」

 不安そうに俯いた彼女の手が今度は小刻みに震え、自信なさげに背中を丸めこんでしまっているようにも見えた。

 普段はクラスの中心にいるはずの茜音ちゃんが、不意に小さく感じた。頼りないとは思ったことがない。私よりも自分をしっかりと持っている彼女、何者にも怯まず、意志を通すはずの女の子に対して頼りない?

 好きだと告げてくれた茜音ちゃんの気持ちを無視しているわけではない。ただまずは彼女の不安を払拭してあげたかった。

「そんなことないよ。どうして? 茜音ちゃんは昔から」

「雛は昔から、誰にも頼らないで我慢をして、一人になりたがってたでしょ?」

「それは、そうだけど。でもそれとこれは関係ないよ。私はそもそも誰かを頼るのが苦手だし、わざわざ私なんかのために時間を割いて欲しくないだけなの」

「本当にあたしに話してもどうにもならないから話さなかったわけじゃないの? ねぇ、雛のためにあたしの時間を使わせてよ。あたしは雛と一緒にいたい、雛を支えてあげたい、雛に一人になって欲しくないんだよ」

 私の右手を両手で握る彼女の手はとても熱い。茜音ちゃんの真っすぐな気持ちが込められているようだった。

「だからこれからは何かがあったらすぐにあたしに言って欲しい。雛がもしも忘れちゃっても大丈夫なように、絶対に酔い止めは持ち歩くし、クラスのグループなんてもう関係ない。雛が何も不安にならないように傍にいる。雛のことが好きで好きで堪らないから、心配もするし班を決めた時みたいに勝手なことをしちゃうけど。好きでいることは許して欲しい」

「許して欲しいとか、それは違うよ。いつも酔い止めを持ち歩く必要はないしね。私は茜音ちゃんみたいにはっきりと言葉で伝えるのが苦手でさ、だから人に相談をすることも頼ることもしてこなかったけど」

 酔い止めに関して言われるとは思ってもいなかったけれど、彼女の気持ちは充分なほど伝わってきた。茜音ちゃんがこんなにも私を想ってくれているとは知らずに、自分勝手な嫉妬で彼女を責めてしまった。

 言われて初めて気が付いた嫉妬心から抱いた怒りをこれ以上身勝手にぶつけたくはない。自分の心の弱さのせいで彼女を困らせたくはないはずなのに。

「私も茜音ちゃんが好きだから……傍にいてください」

 彼女の気持ちを正面から受け取りたかった。ベッドから出て、隣のベッドに座る茜音ちゃんを強く抱き締めて、想いを口にする。

 今までにないほど心臓が高鳴っていて、彼女にも聞こえてしまいそうだった。背中に回された腕が震え、肩の上に優しく顎を乗せられている。

「雛、本当に? 本当に傍にいさせてくれるの?」

「私なんかでよかったら、ね? だから明日は私と一緒に街を回ってくれない?」

「もちろん。そのつもりで雛を同じ班にしたし、たとえ違う班になっちゃったとしても、雛と回るんだって決めてた。帰りの分の酔い止めはどこかで買っておかないとね」

 私の背中を摩る彼女の手のひらが実に優しい。今までどうして茜音ちゃんを頼ってこなかったのか後悔にも等しい感情に苛まれたものの、過剰ともとれるほど酔い止めについて助言してくれる茜音ちゃんにはつい笑ってしまう。

 こんなにも彼女は心配性だっただろうか。互いに気持ちを告げ合った途端に、心配をしてくれる優しさが嬉しくすら感じてしまうのはとんだ心境の変化だ。

 ゆっくりと彼女の体を引き離しながら、今度は額同士を重ね合わせる。

「そうだね。また同じようになったら大変だし」

「気持ち悪くなったら言ってよ? できる限りのことをあたしもするからさ」

「ありがとう。心強いよ」

 目前で微笑む茜音ちゃんに大きく頷いて、私は彼女の手を取った。せっかくの修学旅行を心から楽しもう。──それと。

「私たち、もうただの幼馴染じゃないんだよね?」

 密かに心に留めていたはずの感情を告げ合い、待ちに待った関係性に変わった時、私は彼女を愛し、何があっても共にいたいとまた、秘めた。


終わり

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