Lv.8 南の大陸 マリアふたたび

─朝を迎えた─


俺「──ん、朝か─ …って、ええっ!」


─なんと、リンゴが横で寝ている─


俺(え!なんで?え!…それにしても… かわいいな…)


リンゴ「──ん、─あ、ヒロぽん、おはよう❤️ ─昨夜はありがとう❤️ ─えへっ❤️ なんだか照れるね❤️」


俺「いや!照れないから!汗 やってないから!やめて!なんか『初めて夜を共にした2人は朝を迎えた』みたいなこの感じ!なに?『昨夜はありがとう❤️』って!指一本触れてないから!」


リンゴ「みんなに恥ずかしいからって、そんなに慌てて否定しなくてもよくない? あたしは嬉しかったよ❤️ ヒロぽんがいっぱいあたしを求めてくれて❤️」


俺「やったの!俺やっちゃったの? ちょっと記憶が…」


リンゴ「ふふっ。冗談だよ❤️ ねぇ、もう起きて❤️ 朝だよ❤️」


俺「──あっ、ああ──」


─────


身支度を整えホテルのロビーへ─


タマネギとミカンの2人は既に出発の準備を終え待っていた─


ミカン「あっ、リンゴっ、ヒロキっ、おはよっ!ヒロキ、大丈夫っ? 昨日あの後、顔色よくなかったけどっ… 回復しようかっ?」


俺「─ああ、大丈夫!心配かけてごめんね!ありがとう!」


タマネギ「─よかったです! それじゃあ、定期船乗り場に向かいましょう! 盗まれた物も返ってきたし、定期船運航も再開されてるはずです!」


俺「─ああ、行こう!よし!出発だ!」


─────


日中の街並みは、定期船の出る大きな港町ふさわしく、多くの人が行き交い、賑わいを見せていた。不気味なほどの静寂に包まれた夜の街並みとは大違いだ。


タマネギ「日中はやっぱり、いかにも港町って感じで賑やかですね。昨日の夜はなぜあんなに静まり返っていたのでしょうね。」


ミカン「ねーっ、なんでだろうねっ。」


その時だった─


※「マリアーっ!どこにいるんじゃーっ!?」


だれかを探し回る男性の声─


俺「マリア?」


※「せっかくまた会えたというのに!ワシのせいじゃあ。また盗まれてしもうたー!」


俺「…まさか…」


※「頼む、マリアはワシの生きがいなんじゃあ!返してくれー!マリアーっ!」


俺「………」


うなだれる男が視界に入る─


タマネギ「お困りのようですね、ヒロキっ、ここは勇者として、困ってる人を助けてあげましょう!」


俺「………」


リンゴ「タマネギッ、そうだね❤️ ねー、おじさん、大丈夫っ?❤️」


※「…ーきみ達は…─」


ミカン「お困りでしたら、お話聞きますよっ!」


タマネギ「─先程聞こえてしまいましたが…、マリアさんをお探しですね? 私達の仲間、ヒロキは困ってる人は放っておけない、ノーホウチ・ダメゼッタイホウチマンなんです!マリアさん探すの、手伝いますよ!」


俺「(ノーホウチ・ダメゼッタイホウチマン?)」


※「─すまない!ありがとう! ─私はこの町の町長、タダノハゲという。話を聞いてくれるなら、ここではなんじゃ。一度ワシの家に来てくれんか?」


リンゴ「あははっ❤️ すごーい❤️ 『ただのハゲ』だってー❤️ ウケるねー笑❤️」


ミカン「ちょっとっ!リンゴっ!失礼だよっ笑!」


俺「(お前もな! てか、それは反則だろ笑 本名か? ノーホウチ・ダメゼッタイホウチマンは完全に流れたな)」



──タダノハゲ宅──



─俺達はおいしい茶菓子ご馳走になりながら、町長と話をする─


タダノハゲ「─そうか!キミ達は、まだ見ぬ魔王AIドラゴンを倒すために旅をしておると… 立派な事じゃ!」


タマネギ「ありがとうございます!」


ミカン「なので、もう定期船ストップとかやめてくださいねっ!」


タダノハゲ「─それに関しては本当にスマン!公私混合してもうた!反省しておる…」


リンゴ「わかったならいいよー❤️」


俺「でもまた盗られちゃったと…」


タダノハゲ「─そうじゃ、ワシの管理が甘かった…。マリアのDVDは100万Gの値打ちがある…。このタイミングでの、この窃盗…、カンダダの仕業に違いない…」


タマネギ「カンダダ?」


タダノハゲ「最近、何度も出没しておる盗賊じゃ…。街での被害は10件を超えておる… いずれも夜間にやられておってな… 夜になるとカンダダが来るかも…と賑やかな夜の街もすっかり鎮まり返ってしもうた…」


タマネギ「なるほど!夜の街が鎮まりになってしまったのは、そういう事でしたか…」


タダノハゲ「頼むっ!この街の町長としてのお願いじゃ。カンダダをたおし、街の民を安心させてやってくれんか? そのついでにDVDも取り返してきてくれい!」


はい

▶︎ いいえ


タダノハゲ「そう言わず、もう一度問うぞ。カンダダをたおし、街の民を安心させてやってくれんか? そのついでにDVDも取り返してきてくれい!」


はい

▶︎ いいえ


タダノハゲ「そう言わず、もう一度問うぞ。カンダダをたおし、街の民を安心させてやってくれんか? そのついでにDVDも取り返してきてくれい!」


▶︎ はい

いいえ


タダノハゲ「おぉ!やってくれるか!感謝するぞ。カンダダは、街の西にある塔、シャンパンタワーのほうから来てるようじゃ! 気をつけて行くのだぞ!」


俺「…─仕方ない、行くか─ …なぁ、町長さん、無事にDVD取り戻せたらさ…」


タダノハゲ「─うん? なんじゃ?」


俺「──いや、やっぱ、いい…─」


リンゴ「ヒロぽんにDVDコピーしてあげて❤️ 今後のエッチの勉強のために❤️」


タダノハゲ「おぉ、そんな事か!取り戻せたなら全然OKだぞい!」


俺「………」


リンゴ「ヒロぽん❤️ よかったね❤️ いっぱい勉強して、あたしを満足させてね笑❤️」


俺「……オイヤメロ……」



街の平穏とDVDを取り戻すため、俺達は街の西、シャンパンタワーへと向かう──




















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る