Lv.7 南の大陸 はじめての◯◯◯◯
港町『ボートサイド』 定期船の出る町─
ロマンスの城より歩く事8時間─
一行は、山を越え、谷を越え、やっとの思いで辿り着く。 あたりはすっかり夜になっていた─
俺「─いや〜、すっかり遅くなっちゃったけど、やっと着いたな」
リンゴ「疲れたー!お腹すいたー!もうホテル行こー! あ、この町にはカジノあるのかな!」
ミカン「リンゴ、カジノ好きだねっ、私はもう休みたいっ」
タマネギ「─船が動くのは日中のうちだけでしょう。今夜はホテルに泊まって、船着場へは明日行きましょう」
俺「ああ、そうだね」
ホテルを探し町を歩く俺達─
夜も更けているため人通りはない─
月灯りと、いかにも妖艶で怪しげな店が放つネオン光だけを頼りに暗がりの街を進む─
ミカン「真暗だねっ、気をつけて」
リンゴ「もうやだー、つかれたー」
タマネギ「…不気味ですね。夜更けとはいえ、定期船が出入りするような街でこの静けさ… 以前一度来た事がありますが、お酒で有名な街でもあるので、夜遅くまで賑やかだったような覚えがあるんですが… なにかあったんでしょうか…」
俺「─たしかに、不気味なくらい静かだね… って、あれっ?」
ミカン「─ヒロキ、どうしたの?」
俺「─いや、なんか人影が… 女の人?」
リンゴ「─えっ…」
─そこには、静まり返った夜の街に似つかわしくない、すれ違ったら誰もが思わず振り返ってしまうであろう美貌の若い女性が、いかにも男を誘惑するように佇んでいた。思わずその女性に視線を送ってしまった俺は、女性と目が合う。目があった女性は、俺にニコッと微笑みかけた─
女性「あ〜ら、ステキなお兄さん❤️ ねぇ、ぱふぱふしましょ。いいでしょ?」
俺「─えっ、ぱふぱふっ?」
思わぬ女性のお誘いに俺は聞き間違えたのかと思った。
リンゴ「はいっ❤️」
俺「えっ!ちょ待っ…だめだって!」
女性「あら!うれしい!それじゃ、わたしについてきて!」
女性は俺の手を取り、見るからに怪しげな建物に入ろうとする。
俺「っ…おいおい!ちょっと待ってって!」
言葉とは裏腹に、俺の股間は妄想によりヒートアップする─
それに気付いたリンゴ─
俺の下に近付き、タマネギとミカンに聞こえないよう、俺の耳元でこう囁いた─
リンゴ「いいじゃん、ついでにこっちのお世話もしてもらっちゃいなよ❤️」
リンゴはさらに、タマネギとミカンからは細部までよく見えない角度に入り込み、俺の股間を撫でるように触った─
全身を流れる血液が一気に下半身に集中していくのがわかる─
ええい!もうどうにでもなれ!
俺「みんなっ!あとは俺にまかせろ!!」
俺「…じゃなかった… みんなごめん、ちょっと俺行ってくるわ」
タマネギ「ヒロキ… フケツです…」
ミカン「ヒロキは、Hな事できれば相手は誰でもいいんだっ? へーっ」
2人からは明らかに冷たい視線が送られてるのを感じるが、もう俺はこれから女性とする行為の事で頭がいっぱいだった。
リンゴ「行ってらっしゃーい❤️ 後でどうだったか教えてね❤️」
俺「おお!ちょっと行ってくるわ!」
女性「さあ、こっちよ…」
俺は促されるまま、女性と2階の部屋へ─
女性と2人きりになり、緊張感がピークに達する。
女性「わたしの近くに来て…」
俺「─おっ…おぅ…」
女性に招かれるままベットに座る俺─
女性「─明かりを消して、暗くしてもいい?」
俺「─おっ…おぅ… あ、いや、待って。俺、明るいままがいいな」
女性「─そんないじわる言わないで。消すわよ…」
明かりが消えた部屋は真っ暗になった
なにも見えない─
次の瞬間、俺は顔が柔らかくて、温かいものに埋もれる感覚を覚えた─
女性「─ぱふぱふ。ぱふぱふ」
俺「─うぷぷぷぷ」
女性「ぱふぱふ。ぱふぱふ」
俺「こ、これは……」
女性「ぱふぱふ。ぱふぱふ」
俺「き、気持ちいい……」
※「どうだ。ぼうず。わしのぱふぱふはいいだろう」
俺「─えっ…」
─明かりが付き視界が開けた─
俺の目に飛び込んできたものは、先程の女性の豊胸ではなく、軽く100Kgはあるだろう─ いかにもこうはないたくないと思う、中年オヤジの豊胸だった。
俺「…ぅぁぁっ…」
俺の中で絶望の音楽が鳴り響く─
呪われた時、ぼうけんの書が消えた時に流れる、絶望でしかない、あの音楽だ─
女性「─わたしのお父さんよ。ぱふぱふがとても上手なの」
男「わはははは。じゃあ、わしはこれで… わしの娘に変な気を起こさんようにな笑」
俺「─俺、なにされた?」
女性「肩こりが取れたでしょ?また来てね❤️」
現実が受け止められない─
俺は何も言わずに部屋を出る─
リンゴ「あっ、ヒロぽん❤️ おかえりー❤️ どうだった?❤️」
俺「…ああ… みんな… ごめん… お待たせ… なぁ? 俺は… 俺は… 俺はどうしたらいい…?」
ミカン「ヒロキ、どうしたのっ?」
タマネギ「顔色が良くありませんね。気持ちいい事してきたハズでは?」
俺「…俺は… 俺は… 俺はどうしたら…」
予想してなかったであろう俺の反応に戸惑う3人─
リンゴ「なんか… ダメだったのかな?❤️ じゃあ、もうホテル行って、ご飯食べよ?❤️ ね?❤️」
俺「…ああ… ありがとう…」
ホテルにて夕食を済ませ床につく─
俺はその日は眠れなかった─
あの豊胸が頭から離れない─
顔には、いつまでもあの豊胸によるぱふぱふの感覚が残った─
しばらくトラウマになりそうだ─
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