Lv.6 南の大陸編 VS・BOSS・アーノルド・ハート
アーノルドはキョトンとしていた─
アーノルド「おぉ、お主等か。こんな老いぼれの家に何度もどうしたのじゃ? そうじゃ、壁の破壊はうまくいったのか?」
ミカン「えぇ、おかげさまでっ」
俺「俺は死ぬかと思ったけど…」
アーノルド「そうか!それならよかったわい。そしたら、こんなところにはもう用はないじゃろ? 早く行ったらどうじゃ?」
俺「それが、そうもいかなくなったからまた来たんだよ!」
タマネギ「アーノルドさん、ロマンスの城の王様からDVDをアーノルドさんに盗まれたと聞きました… 心当たりはありますか?」
アーノルドの顔から笑みが消える─
リンゴ「たんぽぽさん❤️ なんで、そんな事したの?❤️ 人の物盗んじゃダメだよ❤️」
アーノルド「ほう… なるほど… つまりお主等はワシが盗んだものを取り返しに来た… という訳じゃな?」
空気が変わる─
俺「そうだ。返して…くれるか? それは『ポートサイド』って町の町長さんのものなんだ─ それがないと、定期船を動かしてくれなそうで困ってる…」
ミカン「アーノルドさんっ…」
アーノルドの瞳が赤色に変わった─
アーノルド「─そうか。話はわかった─ だが、DVDは渡さん。マリアは渡さんぞ。DVDは金庫に入れてある。持って行きたくば、ワシを倒してから持って行くがよい─」
俺「─しょうがない─ 行くぞ!たんぽぽ!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
アーノルド・ハートがあらわれた
・アーノルド・ハートは赤の衝撃波を放った
タマネギは325のダメージを受けた
タマネギは気絶した
・アーノルド・ハートは赤の衝撃波を放った
ミカンは372のダメージを受けた
ミカンは気絶した
・アーノルド・ハートはおおきく息を吸い込んだ
アーノルド・ハートはスーパーハイテンションになった
リンゴ「─タマネギッ!─ミカンッ!」
俺「!ウソだろっ! なんだこのデタラメな強さはっ! 1ターン目、一撃で2人も戦闘不能にされるなんてっ! 俺達まだL v.6だぞっ!
300以上のダメージって… 俺達まだHP50くらいしかないんだけどっ! 3回行動っ?? 序盤のボスは普通1回… 100歩譲っても2回だろっ! スーパーハイテンションッ?? 色変わるやつかっ! 明らかに、到達目標レベル50くらいのところに間違えて来ちゃったとしか思えないっ! それとも、あれかっ?『極限低レベルクリア』的な動画でも作ろうとして、機材用意して、いざムービー撮り始めたものの、対策間違えてて瞬殺されちゃうやつかっ?」
アーノルド「─なにをごちゃごちゃ言うておる─」
・アーノルド・ハートのこうげき
ヒロキは剣で受けとめた
ヒロキ「…ぐっ…」
アーノルド「─ほう…」
リンゴ「ヒロぽんっ!今助けるよっ!たんぽぽさんっ!こっち見てっ!くらえーーーっ❤️❤️❤️」
リンゴはエッチな下着姿を見せつけた
アーノルド「………」
リンゴ「…… あれっ?…… なんか……リアクションが……前と違うような……『おっほーっ』からの……鼻血ピュー……は……?」
アーノルド「……なにをしておる?……まな板が……」
リンゴ「なっ!… まっ… まな板っ…?? がーん… ちょっとは自信あったのにっ!」
リンゴは戦意を喪失し─戦線を離脱─
俺「リンゴッ!─くっそー!どうしたら…」
アーノルド「─あとは、お主だけだ─ 冥界に行くがよい─」
アーノルド・ハートのこうげき───
俺「─ダメだ─」
俺「───…」
俺「─あれ?─」
俺「──まてよ──」
俺「──もしかして──」
俺「──迷ってる時間はない─ イチかバチか─」
ヒロキは剣で受け取めた─
俺「…ぐっ…」
アーノルド「…ほう… やりおるな…」
俺「…ぐっ…こっ…コピー…してやるっ」
アーノルド「…なに?」
俺「…マリア…さんの…DVD… 全く同じやつ…もう一つ…作ってやる…」
アーノルド「………」
俺「…だからっ… もとのやつはっ… 持ち主にかえせっ!」
ヒロキは攻撃を弾き返した─
アーノルド「うぉっ!」
俺「はあっ…はあっ…─」
アーノルド「………」
アーノルド「…そんな事が…可能…なのか?」
俺「誰でも─… いや、俺ならできるっ!」
アーノルド「─そうか…」
ヒロキ「うおおぉぉおぉーっ!!!!」
ヒロキの会心の一撃─
─アーノルドはひらりと身をかわした─
俺「─… ここは流れ的に… 奇跡の会心の一撃…って事で… 大ダメージ与えたり… あわよくば倒せちゃったり… ってところじゃないの…? 行間3行ずつも溜めておいて…」
・アーノルド・ハートは赤の衝撃波を放った
ヒロキは455のダメージを受けた
ヒロキは気絶した
ヒロキ達は全滅した─
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
─ロマンスの城─
王様「…おお。ヒロキよ。全滅してしまうとはなさけない。そなたにもう一度機会を与えよう… ヒロキがつぎのレベルになるには…」
俺「………」
王様「…って言う流れなんだがな… ありがとう!勇者ヒロキと、その仲間達よ!先程、お主達がまだ眠ってしまってる間に、アーノルドが盗んだ物を返しに来たぞ!」
俺「え!マジで?」
タマネギ「え!本当ですか?」
ミカン「アーノルドさん、また急にどうして?」
リンゴ「あたしって、まな板?」
王様「アーノルド自身、盗みを働いた事に罪の意識はあったようなのだが… やはり娘の形見みたいなものだったようでな… 返すのにも、なかなか踏ん切りがつけられなかったようじゃ…」
俺「そっか、まあ、そうだよな…」
王様「だがの、ヒロキよ!お主がDVDのコピーで話を付けてくれたんじゃろ? アーノルドも感謝しておったぞ。安心せい。コピーはすぐに作成して渡しておいたわ」
俺「そっか、ありがとう」
王様「先程『ポートサイド』町長のところへ使いを出した。DVDの返却じゃ。定期船も間もなく運行を再開するじゃろ」
タマネギ「ありがとうございます。それじゃ、私達は『ポートサイド』目指します。
王様「うむ。お主等には世話になったの。感謝するぞ。なにか困った事があれば、また訪ねてくるがよい。気をつけてな!」
──────────
王様「…む? …おっと …プレイヤーさんよ、大変じゃ。お主の母君が、掃除機をかけようとしておるぞ? 間違えてアダプタを抜かれたり、テーブルに衝撃を与えられたら大変じゃ! ファミリーコンピュータは、衝撃に弱いからの! とり急ぎ、ここまでの冒険は記録しておくな?」
ミカン「?? 王様っ? どうしたんですかっ? プレイヤーさんっ? ファミリーコンピュータッ?」
リンゴ「?誰と話してるの??❤️」
王様「ええから。ええから。ちゃんと記録しておいたからな。電源はちゃんとリセットボタンを押しながら切るのだぞ。では、また会おう。
勇者ヒロキよ。そなたが戻るのを待っておるぞ─」
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