枯れたおっさん
小春かぜね
生きる目的が無い!
※ 半分はフィクションです。
……
最近、生きていても楽しみが無い。
仕事と飯を食べるのと、寝るのを繰り返す毎日。
休日は有るが、休日も特に何かをしている訳では無い。
仕事(勤め)先も、昭和40年代で時が止まっているボロ工場だから、仕事や人間関係も昭和時代そのままで有る。
企業名だけは有名だが、やっている事は中小企業と変わらない。
当然、設備もその名残で有るから、扱いにくいは故障も多く、また中途半端な肉体労働も多い。
近代化は不可能なぐらい遅れており、社内環境は全く良くないと言い切れる!
俺の趣味は現在無いし、有ってもお金が掛かるから、お金が掛かる趣味はとうの昔に止めた。
一時は、PCゲームに嵌まった時期も有るが、アレは意外にお金が掛かる。
ゲームソフトも安くないし、重いゲームほど高性能なPCが必要と成ってくる。
低スペックのPCでは画面がカクつくし、そんな画面でプレイしていても全然楽しくないからな。
唯一の楽しみは、飯を食べる事で有るが、その飯も“エサ”と成る時が有る。
仕事先で食べる飯なんて、仕事の関係上ゆっくりとは食べられないし、飯が外れの日も有る。
そして、冷えた飯ほど不味い物は無い。
これは『企業向け弁当』だから仕方ないが、理想は社食が備わっている企業に勤めたかった……
酒は少し飲むが、タバコは吸わない。
飯の方も仕事の時は『企業向け弁当』だし、家で食べる飯はスーパーの惣菜やコンビニで済ます。
唯一する自炊は、米を炊くぐらいだ(?)
俺は若い世代ではもう無いから、20代の様なエネルギーは無いし、気力も無い……
有るのは僅かな髪の毛と、無駄な脂肪だけだ///
☆
こんな生活をしていると、生きる気力も無くなる。
そうなると自然に、死ぬ事も意識し始める……
俺には親友もいないし、恋人もいない。
両親とも仲が良いとは言いにくいし、頼れる人も当たり前だがいない!
SNSはやっていないし、そのアカウントすら作っていない。
大手掲示板を見ても、有益な情報より誹謗中傷しか最近は無いので、見る価値は昔ほど無くなった。
そんな人間が考える事は、死しか無い。
年金も65歳まで収めろと言い始めるし、独身に対する風当たりも年々強くなっている。
あぁ、言い忘れていたが、俺は独身だ。
もし、家庭を持っていたらと……何時も考えてしまうが、俺の様な甲斐性無しでは家族を幸せには出来ないだろう。
守る物が無い人間は、我慢をする必要は無いし、それに耐える必要も無い。
俺は今の企業にずっとでは無く、転職を繰り返して、今の企業にいる。
やはりと言うのも変だが、人間は一人だと身軽な分、責任も薄れるから自然と自分勝手に成る。
だから、嫌な事が有れば直ぐに転職だし、仕事で向上心は湧かないし、仕事の中での仲間意識も芽生えない。
会社連中とも仕事以外の話はするが、会社を一歩出たら赤の他人で有る。
釣りなどに誘われた事は有るが、俺は釣り道具なんて持っていないし、休日も会社連中に会うのは疲れる。
だから、その様な誘いは全て断った。
有るのは自分勝手の思想と、無意味な時間だけで有る。
☆
死を考えていると、さっき書き記したが、死んだ所でその先の事は、全く分からないし見えない。
天国や地獄と良く言うが、それが本当に実在するのも、実際死んでみないと分からない。
死ぬのが楽では無い事は、このネット時代のお陰で十分、俺の中でも理解している。
自殺も楽では無いし、他殺はもっと嫌だし、拷問や死刑は論外で有る!///
結局。死ぬ事を考えて、それで満足している自分が其処にいる。
生きていれば、飯を食う事が出来るし、寝る事も出来る。
飯だって、たまの贅沢をするぐらいの余力は有る。
お金は掛かるが、新たな趣味も作る事が出来る。
最後は、そんな幸せでも、自分は生きている事に気付く。
生きたくも無いが、死にたくは無い。
本当に俺は自分勝手だ……
☆
まもなく、仕事の時間がやって来る。
行きたくは無いが、行かなければ生活が出来ない。
この年で無職に成ったら、本当に人生終わるからな。
そして、もう気軽に転職を出来る年では無い。
贅沢が出来るほどの給料は貰えないが、一応生きて行くだけの給料は貰える。
今日も『俺は何の為に生きているんだろう……』と、思いながら玄関のドアを開けた。
意味の無い、一日の始まりだ。
……
おわり
枯れたおっさん 小春かぜね @koharu_kazene
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます