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パーティ当日。ティナーリアは朝早くからエナに起こされて準備をしていた。


父とルーカスは三大公爵家の貴族代表として、立太子の義に出席するため早くに家をでていく。ティナーリアはアレックスとエナと共にパーティに間に合うように向かえばいいのだが、

誰よりもティナーリアを磨きあげるのに気合いを入れているエナにいつもより早く起こされるのだった。

「エナも自分の準備をしてくてはいけないんじゃないの?」

「私の事よりもティナ様ですよ!普段飾らせて貰えないのですから出来る時にやらないと!」

(ーーーだって屋敷にいるだけなのに、着飾る必要はないじゃない)


そう思いながらエナにされるがまま、飾られたティナーリアは、自身を鏡でみて目を瞬かせた。

「え、これが私?凄いのねエナの技術は。」

「ティナ様は元々の素材が良いですからね、上手く活かしてさらに引き立てるようにするんですよ」

得意げに笑っている。


瞳の色と合わせた濃い紫のドレスは、裾部分に銀糸で刺繍が施してあるが派手過ぎず、美しく上品に感じる。パールとダイヤを使ったイヤリングが、緩やかに下ろしてある銀髪の間からキラキラ輝いている。

イヤリングとお揃いのデザインのネックレスも、光に当たる度にキラキラと光っているようだ。いつもより開いた胸元を隠してくれている。


準備を終え、部屋まで迎えに来てくれたアレックスは美しく仕上がったティナーリアを見て

「ティナに群がる奴が増えそうだかな、全くエナめ、余計な事をしてくれる」とボソッと言うのをソルとシルフだけが聞いていた。

「ティナ凄く可愛いよ。僕も兄さんも、今日はティナのドレスと同じ色のタイをしてるよ」

三兄妹を象徴する色を纏った3人を想像してティナは心が浮き足立った。

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