　　ネタバレありです。注意。

　はいまた不人気作品です！

　いや、投稿部分が短いのでちょっと読めばいいわけですけど、あまりに不人気なので続きを発表しておらず、知って欲しかったのです。話は一応最後まで考えています。

　三作目の本作は、作者の趣味全開で書いた作品です。母星を失ったいくつかの星の種族が寄り集まって生活する宇宙船リンクレイダ。彼らは傭兵を生業として星々を回り、その土着民と契約して傭兵活動を行います。その主な代償は惑星の表土。生態系豊かな表土は宇宙を放浪する彼らにとっては他に変えられない貴重な物。

　もちろん傭兵稼業だけでは儲けは多くありません。そこで味方の識別マーカーを消し、略奪者（ラウプヴォーゲル）として惑星に降り立ち、惑星上の貴重なものを奪う連中だって居ます。彼らは時には傭兵から狙われ、死ぬこともあります。ただ、この略奪行為自体はリンクレイダ側も認めています。唯一許されないのは書き換え（ベルシュングリュク）と呼ばれる物理法則を無視した行動。これを規定時間以上行った場合は母船に戻ることはできなくなります。

　――という前置きをすっぱり切り取って、いきなり出撃シーンから始まります。このシーンは某ロボットアニメのオープニングのオマージュです。作者これ、台詞も含めて全部ソラで歌えるくらい好きです。

　さて、何故前置きを置かないのか、設定がわからない――という意見もあるかと思いますが、私、SFでもファンタジーでも設定から語られると寝てしまうんですよね。お話として読まなければそれでもいけるんです。指輪物語とか。でも、お話の冒頭に置かれると寝てしまうんですよね。せっかちなので。

　◇◇◇◇◇

　冒頭はそれっぽく雰囲気で書いてあるだけなのでスルーでもいいです。お話は、主人公の七瀬美鈴（ななせみすず）がロボットの落下の衝撃で屋上から吹っ飛ばされるシーンから始まります。

　学校というある意味退屈な場、誰もが一様に過ごす場で妄想がちな彼女はその妄想以上の出来事に遭遇します。誰しも考えませんか？　あまり好きでもない雰囲気の学校で退屈な授業を受けていると、空からカッコイイロボットに乗った王子様が迎えに来てくれるワクワク――みたいな。考えますよね！　考えませんか！？

　その王子様がシシアです。彼女は未知の科学力を有したロボットを自在に操れるだけでなく、種族的な能力として強力な念動力を使いこなします。すごい！　最高！　ええ、それだけの作品ですよ！

　そしてタイトルにもなっている『空へ落ちる』。

　空へ落ちると言う空想は、空を眺めることが大好きな作者が小さい頃からずっとやってた空想です。

　このまま重力が反転して上へ上へと落ちて行ったらどうなるだろうと考えただけで全身がすぅっと気持ちよくなります。美鈴の感じた内容は全て作者の感じた内容そのものです。年を取った今でもときどきこの空想で楽しんでいます。

　二人の乗るロボット、『ブロシオル』は重力と空気がある場所でならいくらでも飛び続けられます。重力を引っ繰り返して空気抵抗で落ちる向きを変えて滑空します。どこへでも飛んでいける空想も満たしてくれます。

　そしてブロシオルは兵器です。力を見せてはいませんが、美鈴が想像しているようなただの乗り物ではありません。

　兵器は他にリノカーの乗る『エクサクセル』が登場します。こちらはブロシオルと違って宙間を有り余るΔvによって縦横無尽に……とはなかなかいかないのですが、高い加速力で高速戦闘を行う宙間戦闘機です。大気の無い宇宙で縦横無尽に機動して戦おうなんて思ったら書き換え（ベルシュングリュク）無しではとても無理ですしね。

　美鈴とシシアは最新の2話の時点でのんびり無人島暮らしに入っています。美鈴は非現実的な状況を楽しんでいますし、シシアもそんな美鈴が気になって仕方がありません（宇宙人なのに！）。

　もちろん、現代の世界でそんな二人が自由に暮らしていけるかというと疑問ですが、そこでひと波乱、ふた波乱起きます。傭兵だってどこかに降りてきているはずです。その辺は執筆していませんが、また機会があれば書きたいと思います。

　そういうわけで、もし興味を持っていただけたのであればぜひ読んで欲しい作品ですし、なんなら続きを頑張ります！

　何卒、宜しくお願い申し上げます。

『空へ落ちる』

https://kakuyomu.jp/works/16817330656922453099