第3話テスト対決

この高校の定期考査は全部で15科目あり、全科目難関である。特に数Ⅱは平均点が100点中22点と最難関である。無論、この高校は偏差値70越えの超進学校であり、その進学校の生徒でさえやっとこの点数というあまりにも難関なテストで有名だった。

「てことで日比谷くん勉強を教えてくれないかな?」

カナコとサチエは七瀬とテストの点数で競うことになってからすぐに日比谷ハルにテスト勉強を教えてくれないか頼んでいた。

「私からもお願い。あいつを退学させたいの。」

サチエも手を合わせお願いする。

日比谷ハルは鼻で笑い、

「無理なんじゃないかな?今からでも謝りに行った方がいいよ。」

「はぁ?どゆこと?」

「言葉のまんまだよ。君たちごt…君たちの学力いや、この学校の生徒全て探しても彼女に勝てる可能性があるのなんて、僕や相澤くんぐらいだ。」

「なにこいつ。きも…自己評価高すぎでしょ。」

カナコがぼそっという。

「君たちこそ自分たちのことを客観視出来て無さすぎじゃないのか?まぁ頑張ってくれよ」

日比谷ハルはそう言い捨てそのまま廊下を歩いて2人の元から去っていった。

「なにあいつ。ほんときもい。」

「ねっ。つーかあいつが殺人犯なんじゃねーの。」

「ほんとそれな。あいつが絶対あかりとか殺したんだよ。」

そんなやり取りをしているところを少し遠くから七瀬と相澤が見ていた。

「ふっ。哀れね…」

七瀬はその様子を見て鼻で笑う。

「だけど油断だけはするなよ。いくらカナコとサチエだからって、2人の点数を合わせたら七瀬の点数をこされる可能性もあるんだから。」

「別に相手がどうとか関係ないわ。私は今回も全教科満点の1位を狙いに行くわ。」

「ならいいけどさ。」

その日の放課後…

カナコとサチエは学校の図書館で会議を行う。

「今回のテストなんだけど。例えば数Ⅱのように平均点が22点の科目もある。だけどこんなに取りにくい教科で点数取りに行くより、平均点の高い暗記科目系世界史とかその辺で点数を稼げば勝てる。」

「サチエ頭良い〜確かに1500点満点つまり、私達が総合750点ずつ取ればあいつが満点取ろうと勝てるね。」

「そう。つまり、暗記科目特に世界史なんか平均点が70点ぐらいあるんだからここは特に取れるところよね。」

「家庭科とか保健も平均点そんくらいだしここら辺は80点ぐらい取りたいね。」

カナコとサチエは世界史や家庭科保健等の勉強を図書館で3時間程勉強した。

「ふぁ〜疲れた〜。」

「私達結構頑張ったよね〜」

「ね〜」

既に外は暗くなってきておりそろそろ帰る時間になった。

「ねぇ。今から教室に行かない?」

「教室?何か忘れ物したの?」

「七瀬の教科書とか全部破きに行こ。」

「え。それマジで言ってんの?カナコ。バレたらやばいよ」

「大丈夫だって。どうせ七瀬に言われたところでしらばっくれればいいんだから。」

「えぇ〜やめようよ〜」

「いこーよ。ほら」

カナコはサチエの腕を掴んで校内に入り、自分たちの教室のある3階へ向かう。

七瀬のクラスの2-Bの教室の前につき、ドアを開けようとした。しかし、当然鍵がかかっていた。

「うわだる。」

「もう帰ろーよ。」

「どっから入ろーかな。」

「カナコ!」

サチエに大声で言われカナコは舌打ちをする。

「わかったよ。サチエは帰っていいよ。あとは私でやっとくから。」

「やめなよ。もう私帰るよ。」

「じゃあねー」

サチエは足早にその場を立ち去っていく。

カナコはサチエの姿を見送りながら

だるあいつ。

と小声で言い漏らす。

カナコは1階の職員室に向かい職員室のドアをノックする。

「すいませーん。誰かいませんか?」

すると体育の先生の吉田先生が出てきた。

「棚町か。こんな時間までいたのか早く帰りなさい。」

「ちょっと忘れ物しちゃったんですよー先生」

「そうか。忘れ物をしたならここに名前と時間を書いてくれ。」

「ういーす、」

吉田先生が指を指した先には忘れ物を取りに来た生徒が名前を書く紙がおいてあった。

カナコは鉛筆で名前と時間を書いた。

「これ鍵だから」

と吉田先生がカナコに全ての教室鍵束を渡される。

「すぐ返すんでよろしくでーす」

カナコはその後3-Bに戻り、教室のドアを開け中に侵入する。

カナコは七瀬のロッカーの前にいく。

しかし、更にそのロッカーは鍵がついていた。

鍵は3桁の暗証番号を入れるとあくタイプの鍵だ。

「3桁ならなんとかなる。」

カナコは片っ端から数字を試していく

15分後ようやく、解答に辿り着く。

カナコがロッカーを開けるとそこには教科書やノートがたくさん入っていた。

カナコはそれらを全て破り捨てた。

「ふふっ。これでもうあいつは勉強どころじゃない。テスト2週間前あいつはもうおわりだ。」

カナコはその後ロッカーに鍵をかけ教室を出る。それと同時に廊下の向こうから吉田先生がやってくる。

「遅かったじゃないか。」

「探していたんだけど全然見つからなくてもう諦めたところでーす。」

「そうか。まぁもし見つかったらお前に伝えるから、その捜し物は何か言ってくれ。」

「ただの消しゴムなんすけどピンクの」

カナコは吉田先生に消しゴムの特徴を伝えた。

「わかった。見つけ次第お前に伝えるよ。気をつけて帰れよ。」

「ういーす」

カナコはそのまま帰路に着く。

(よっしゃ。吉田の奴も騙せたし。上手くいった。サチエのやつビビってたけど上手くやってたやった)

その次の日の朝、

七瀬は自分のロッカーを空け異変に気がつく。

「やられた。」

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