第28話再来
日比谷ハルは新宿の高層マンションの一室で羽村殺害事件に穴が無いか念入りにチェックし、それを終えた。
「これで羽村の方は大丈夫かな。白川となえがバレることは無いだろう。問題は湯木だが…確か湯木の報告によると、七瀬と相澤は桐生という刑事と一緒に捜査してるという話だったな。湯木の顔は捜査の書類で知る手段はあるのか…桐生という刑事がどこまで頭が回るかだが、いや、あの2人がついているんだ。恐らく湯木が襲撃することもバレてるかもな。奴らに顔がバレていなくて俺が動かせる駒はなえぐらいか…」
日比谷ハルはなえに電話をかける。
すぐなえは電話に出る。
「なんですか?」
「少し頼みたいことがある。」
その頃…
湯木らしき人物を見つけ3人は警戒態勢に入る。
「どうだ?湯木にシビトはついてるか?」
「今のところそれらしきものは見えないね」
「どうするつもりなの?」
「奴にシビトが着いた瞬間速攻で奴を撃ち殺す。」
「ここは人目があるそんなことできるの?」
「この銃は銃声が鳴らないようになっているんだ。それに、俺ならこの銃でかなり遠くから正確に奴の頭を撃ち抜ける。それに最悪死体さえ見つからなきゃこっちでもみ消せる。」
「わかった。」
それを七瀬とマコトは了承し、桐生は湯木を撃ちぬきやすいように少し遠くの人目の少ない電柱に隠れる。
合図は七瀬とマコトが手を挙げたら。万が一急遽作戦が変更する必要が出た場合は拳をグーにして手を挙げる。
湯木は近づいてくる。
しかし、一向に湯木にシビトが付く様子がない。
マコトと七瀬の脳裏に最悪の未来がよぎる
(まさか、店の中に入るまでシビトがつかないつもりか!?)
マコトは急遽作戦を変更するため、すぐさま拳をグーにして手を挙げた。
桐生はそれを見て不測の事態に陥ったことを察する。
(急遽作戦変更の合図…なるほどそういうことか。)
桐生もすぐさま敵の作戦に気づく。
しかし、3人が合流して新しく作戦を考えてる暇などない。
マコトは新たな作戦を思いつく。
(店内に入るまでシビトがつかないということは黒幕に店内に入ったという合図を送らなければならないということ。ということは近くに湯木が店内に入ったか確認する人間がいるはずだ。)
七瀬も同様に近くに湯木が店内に入ったか確認する人間がいることを察知しており、周囲を見渡す。
しかし、日比谷ハルはこの事態を予測していた。
マコトと七瀬に顔がバレていないなえを配置させることにより対策していた。
恐らく店内には高島も既に入っている。このままでは湯木に店内で自爆させられ全てを壊されてしまう。
桐生はこの事態を打破する為に自身の命を捨てる事を決意した。
マコトと七瀬は目を見開く。
桐生は湯木に近づきに行った。
そして、すぐさまスタンガンを湯木に当てて動けなくする
「桐生…あいつ何をしてるんだ」
マコトがその様子を見てそう呟く。
桐生は湯木を抱え近くに止めてあった車の窓ガラスに銃弾を打ち込む中に入っていた運転手はすぐさま桐生の方を向く。
その目線の先には銃口が向けられていた。
「おい、鍵をよこせ。でなければ殺す。」
「わ、分かったこれが鍵だ…」
運転手はすぐさま桐生に鍵を渡すと、
運転手を車から出ていくように指示する。
言われた通りに運転手は外に出ていくと桐生は動けなくなった湯木を後部座席に放り込み、車を運転し始める。
すぐさまアクセルを踏み人気の少ない場所に全速で向かい始めた。
(相澤に七瀬、お前らなら今回の事件解決できるはずだ。頼むからお前らは…死ぬんじゃねぇぞ…)
その様子を見ていたなえは
「ハルさーんこりゃ作戦失敗みたいですよー」
電話越しに日比谷ハルはなぜだ?と問われ
「捨て身の作戦」と答える。
電話越しの日比谷ハルはため息をつき、
「もういい。シビトをつけた。爆破させろ。」
それをなえは了承し、ポケットに手をツッコミボタンを押す。
その瞬間、
ドゴォォォン
大きな爆音と共に桐生と湯木が乗っていた車は爆発をした。
爆発した場所は幸いにも赤信号になっていた池袋駅前の交差点で爆発を起こしたため、一般人への被害は起きなかった。
爆発した直後の交差点は人々の絶叫と焦げ臭い匂いで埋め尽くされていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます