第20話容疑者

「2人とも大変だったらしいねぇ」

マコトと七瀬はマコトの家につき、自分の部屋に入ったあと、しばらくして、シビトがやってきてそう言った。

「羽村が死んだよ」

「さっき、律子からメールで聞いたよ。」

「物凄い大掛かりな事件だね。」

「えぇ。こんだけ大掛かりな事件よ。どこかに、抜け目があるはず。そこから崩していくつもりよ。」

と話しているところ、チャイムが鳴る。

「誰だろう…」

マコトが確認しに行くと先程の川崎という刑事がいた。

「相澤君か。七瀬栞はいるか?」

「はい。上にいますけど、」

「先程証拠が上がった。七瀬栞は今回の事件の犯人だ。身柄を抑えさせてもらうぞ。」

そういい、川崎の何人かの部下が部屋に入っていく。

「ちょっと待ってください!七瀬が犯人ってどういうことですか?」

「今回の事件、PQ組ってヤクザが実行犯だった。日比谷ハルを殺害する目的で来ていたらしい。そして、3日前に七瀬栞がPQ組の人間と新宿駅西口で殺人の計画を話している姿が監視カメラにうつっている。それに、その時契約書と言って七瀬栞がPQ組の契約書に指紋をつける所までバッチリうつっている。そして、先程捕まえたPQ組の奴等にその証拠の場所を聞き、そこを調べたところ例の契約書が出てきた。勿論七瀬の指紋つきのな。」

そう説明されるも、マコトは納得がいかない。

「いやそんなはずは無い!七瀬はずっと僕と一緒にいたんだ!」

「もう諦めろ。証拠が出ているんだ。」

「そんな…」

しばらくして、確保された七瀬が僕の目の前を横切る。

七瀬は僕の方を見て、口パクでこう言った。

頼んだわよ。マコトくん

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