第15話監視
次の日の放課後会議室で皆で集まった。
僕と七瀬は昨日あったことを伝えた。
「怪我はない?」
律子が心配してくれる。
「あぁ。」
僕が返事をしていると、
カナコが質問をしてくる。
「でそのシビトってのはどこ行ったの?」
「昨日僕の前から消えてから一度も現れていないよ。」
「なにそれ。それってもう手がかりがないじゃないの。」
カナコが文句を言ってくる。
サチエが
「じゃあ、次に誰かが憑かれたらあんたは見えるって訳でしょ。」
と質問をしてくる。
「うん。まぁ一応そうなるね。」
そんな話をしていると七瀬が本題に移る。
「今回相澤くんの部屋に爆弾が仕掛けられていた。これがその爆弾よ。」
七瀬が机の上に既に破壊された爆弾を置く。
「大丈夫?これ爆発しない?」
「えぇ。既に壊してあるわ。」
「この爆弾は簡単なものでホームセンターにあるもので作ることが出来る。構造も簡単な物である程度知識のある人間なら簡単に作ることが出来る。素材もこの学校の近くにあるホームセンターで入手出来るもので作られている。」
相澤も続けて説明をする。
「爆弾が仕掛けられた時刻は僕が昨日朝家を出てから、放課後家に帰ってくるまで。犯人はその間に仕掛けた可能性が高い。ただ、この爆弾を仕掛けた犯人はタケシやあかりを殺害した犯人の協力者だと僕は思っている。」
「えぇ。私たちは日比谷ハル。貴方が犯人なんじゃないかと疑っている。」
七瀬がそう言うと、
「いやでも、日比谷君は昨日貴方達といたアリバイがある。それに、協力者が居たなんて証拠どこにあるの?」
サチエが反論する。
「確かに証拠はない。だけど、今回の爆弾が仕掛けられたタイミングと君たちがが僕たちに接触してきたタイミングが同じだ。君たちが僕たちに接触するように誘導したのは日比谷ハルだ。まるでアリバイを作る為のように感じる。それに、そのアリバイも協力者がいたと考えれば辻褄が合う。」
「…確かに。僕が協力者を使ってアリバイを作り出した。筋は通るな。では次にシビトの殺人が起こるまで僕を監視し続けるというのはどうだろうか?」
日比谷によると交代で誰かひとりは日比谷ハルの放課後の様子を監視するというものだった。
「僕としても疑われているのはうんざりだ。次誰かがシビトに憑かれてその人間を救う。それまで僕は監視下に置かれれば犯人ではないと証明出来るだろう。」
「わかったわ。その提案を受け入れるわ。」
今日は律子がつくこととなった。
そして、会議は本日は解散となった。
「ごめんね。私は別に疑っているわけじゃないんだけど…」
律子は日比谷ハルと二人っきりで帰っている時に謝罪する。
「これで皆の疑いが晴れるなら監視のひとつや二つ問題ないさ。」
先程、会議の終わる間際に、日比谷ハルのスマホの中身もチェックされた。怪しいメールの履歴がないか細かくチェックされるも特にめぼしいものはなかった。
「日比谷くんも少しの辛抱だからね。」
「あぁ。」
他愛もない会話をしつつ、家に帰る。
「僕はこれでスマホは明日の朝返してもらうよ。」
「うん。じゃあまたあした。」
日比谷ハルのスマホは監視者つまり今日は律子が保管することとなっている。日比谷ハルが家に居る時も誰とも連絡を取れないようにするためだ。相澤マコトと七瀬栞は日比谷ハルの家を交代で監視する。更に、日比谷ハルの部屋に監視カメラと盗聴器を仕掛けておいた。こうすることで完全に日比谷ハルを動けない状態にした。
(やはり昨日すぐに手を打っておいて正解だったな。)
日比谷ハルは昨日の放課後用意しておいたダミーのスマホを持っていっていた。
本物の携帯は昨日、白川碧に持たせていた。
(昨日全て手を打った。何も問題は無い。)
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