第7話恐怖

タケシ殺害の次の日になり、マコトはタケシが学校に来てないのを見てタケシが殺されたことを察する

「タケシ…」

マコトは朝の学活が終わったあとすぐさまトイレの個室に入り嘔吐する。タケシの死亡に対する悲しみと次は自分が殺されるかもしれないという恐怖から。

そしてその恐怖は現実のものとなる。

シビトがマコトについたのだ。

「やぁ昨日ぶりだねマコト」

ニッコリ笑いながら手を振るシビト。やはりタケシの言った通り小さな男の子だった。

「こっちは初対面なんだけど」

「それもそうだね」

僕にシビトがついたとなればあまり時間が無い。一刻も早く犯人を特定しなければ

タケシには昨日僕が言った容疑者に近づくなと忠告した。だけど、次の日には死んでいたとなるとやはりあの中に容疑者はいなかったのか?もしくは容疑者があの後接近してきてアリバイを見せられて信用してしまったかだ。

僕はとりあえず昨日タケシを見なかったか色んな人間に聞き込み調査をすることにした。

しかし、結局の所誰も見ていなかった。

僕は学校が終わるとすぐに家に帰った。

「ただいま」

家に帰ると高校三年生の姉であるサオリがリビングで勉強していた。

「おかえりマコト突然で悪いんだけどさこの赤本難しくて教えてくれない?」

「いいよ問題見せてよ」

「やっぱマコト凄いよね高一の時点でもう赤本の問題が分かるんでしょ」

姉は僕の肩を肘でつつきながら褒めてくる。

姉と僕は同じく東京高校に通っており今年僕は一年生姉は三年生だ。もう十月の中旬であり姉はもうすぐ受験ということもあり勉強しているが、分からない問題があるとよく僕に聞いてくる。

「もうすぐ死ぬってのに随分と余裕だね笑」

とシビトが言ってくる。

正論なんだが実際に一緒に調査をしていたタケシの死が僕が学校で調査を行うことへの恐怖心を生み出していた。特に放課後に学校にいるのは本当に怖い。やらなければならないことがあると頭ではわかっているのにどうしても死への恐怖からすることが出来ない。

「ありがとうまた今度教えて!」

姉から感謝の言葉を貰い僕は自室に戻る。

「凄かったねマコトあんな難しそうな問題をスラスラと解説していて。僕は聞いていても全くわかんなかったよ」とシビトからも褒められる。

こいつが素直に褒めるのは珍しい。

「昔から勉強をするのは好きなんだ。」

「なるほどねぇ今回の難事件を解決しようとするだけはある。」

「…まぁね」

シビトに事件の事を言われ、現実に戻される。

「なぁ、確認なんだけどシビトが殺すことは絶対ないんだよな」

「ないよ。僕というかシビトにはルールがある」

「ルール?」

僕が聞き返すとシビトは頷く

「ただ、あくまでそれは説明義務が生まれた時になったら話す。」

「じゃあ今話せるルールを話してくれ」

僕がそう頼むとシビトはやれやれという感じで僕に教えてくれた。

「①ついた人間にもうすぐ死ぬということを伝える

②シビトは一度ついた人間はずっと見える

③シビトは基本的に中立の立場であること」

僕はそれを聞きいくつかの仮説を頭の中で立てる。

「なるほどね。後もう一つ質問、これまでシビトについた人間の中で生き残った人間はいる?」

「うん。ほんのわずかにだけどいるよ」

僕はシビトと犯人の関係性をなんとなく想像した。

犯人にはシビトが見えていると考えるのが自然のようだ。それに最悪シビトと犯人が繋がっている可能性もある。

後は恐怖心を抑え明日調査をすることだな。

僕はその話を聞きその日は風呂や食事を済ませた後に眠ることにした。

翌朝になり学校に登校している最中に

「相澤マコトくん」

と後ろから女性の声が僕を引き止めた。

後ろを振り向くとそこには同学年C組の七瀬栞という人物だった。

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