第5話嘘
日比谷ハルはあかり殺害後の一週間は目立たないように気をつけながらあかりのクラスの様子を観察していた。あかりの周囲の人間が自分を疑っていないかを確かめる為に。
その際に偶然マコトとタケシが律子に事件のことを聞いてる様子を発見した。
ハルはその話を盗み聞きし、次の殺害対象をこの二人に決める。
日比谷ハルは同じサッカー部の長谷川に定期考査の勉強を手伝って欲しいと頼まれていた。
日比谷ハルは自分はこの後忙しい為、自分と同じ学年トップのマコトに勉強を教えてもらった方が良い。
勉強は複数人ですると効率が落ちる為できればマンツーマンの方がなお良いと助言していた。
日比谷ハルは長谷川を利用して、マコトとタケシの分断に成功する。
分断している間にタケシを殺害する計画を実行する…
放課後になり、タケシは帰宅の準備を始める
「ねぇ無視しないでよー」
とシビトに言われるもタケシはシビトと喋っていることが犯人にバレたら死体を片付けるシビトが付いてるため、命を狙われる原因になることを考え、一日中無視を貫いていた。しかし、日比谷ハルにはシビトが見えていた。タケシが人気のない所を通ったところで…
「タケシくんだよね?」
そう言われ振り返ると日比谷ハルが目の前にいた。
タケシはすぐさま警戒をする。
「何?」
つい攻撃的に聞き返してしまう。
日比谷ハルは自分が容疑者候補であることを理解していた。そのためまずはアリバイを証明し、信用させる
「確かあかりと同じクラスだったよね?」
「はいそうですけど」
「あかりは一週間前から行方不明になっている。僕はそのことで少し調べていてね何か知っていることは無いかな?」
「いえ何も知りません…」
タケシがシラを切りその場を離れようとした時、
「実は僕は周りには言ってなかったけどあかりの彼氏なんだ…僕は彼女が行方不明になっている事が連続失踪事件と関わりがあるんじゃないかって思っている。」
「まぁそうだな」
タケシは事件の事を言われ少し警戒を緩めた。確かに彼氏なら自分の彼女が連続失踪事件に巻き込まれてると思うなら躍起になって調査するのにも納得が行く
「でもさ、あかりの関わっていた人間は今回の事件の犯人の可能性が高い。日比谷もその…疑っている。」
とタケシが言う。
「確かに自分でも頭の中で推理してみたら、僕も怪しいと思われても仕方がない。だが僕にはアリバイがあるんだ。事件が起こったとされるのはあかりが学校をこなくなった日の前日。学校が終わってからの放課後から次の日の朝までのアリバイがあればいい訳だ。この履歴を見てほしい。」
ハルはスマホの履歴を見せた。そこにはハルが通ってる塾の在籍確認表だった。
在籍確認表には学校が終わってからすぐに塾に入って、それから夜の十二時まで自習室で勉強している履歴が残っていた。
「ここの塾はあかりの帰路とは真逆の方向にある。それにあかりはここの塾に入っていない…僕は学校が終わってからすぐにこの塾で自習をしていた。あかりとは会えない状況にあったんだ。仮に塾が終わったあと真反対の方向のあかりの家に行ったとしても到着するのは深夜二時以降だ。深夜二時に家に訪問となればあかりの両親が気づくはずだ。あかりだけを殺害もしくは、誘拐するのは難しいだろう。これで疑いは晴れたかな?」
そう言われタケシは納得して日比谷ハルに今回調査している状況を全て話してしまう。「なるほどね。とりあえずゆっくり話がしたい。場所を変えようか」
日比谷ハルは計画が上手く行き、心の中で笑みを浮かべる
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