2. 初めて買ったパソコン

 大学を卒業し、初めてパソコンを買ったのは、2009年のことです。

 リーマンショックの翌年です。

 車で15分くらいの場所にあるパソコン工房に行って、デスクトップPCとディスプレイを買いました。


 OSはXPです。

 2001年に発売されたOSでしたが、とても評判の悪かったVISTAにする踏ん切りがつかず、当時出たばかりのWindows7にするには少し不安があったので、慣れ親しんだXPのPCを選びました。


 CPUはCore 2 Duoです。

 購入のしばらく前、父からは「コアが2つついてるんだぞ」と興奮気味に語られましたが、当時CPUのことをよくわかっていないので、「なんか処理能力が高いんだな」くらいにしか思っていませんでした。

 メモリは2GB。当時としては標準的だったと思います。


 これで、PC本体は¥39,800でした。


 ディスプレイはグレア(光沢のあるやつ)の21.5インチで、展示品だったので値引きしてもらった¥15,000くらいのものです。当時はグレアとか気にしてませんでした。今はノングレア一択です。

 この頃になると、ディスプレイは16:9画面が台頭していました。4:3に親しんでいた身としては、16:9画面は「なんか嫌だな」「気持ち悪い」と思っていたのですが、まぁ結局この時は16:9を買い、今や4:3とかないな、と思う始末です。


 予算10万以内(安ければ安いほどいい)、新社会人としてはこの辺りがせいぜいという値段でしたが、使ってみて特に不満はなかったです。

 

 そう、その時はまだ、深く考えていなかったのです。



 セットアップ時、ログインパスワードは設定せずに、起動して放っておけば使える状態にしておきました。今でこそ、PCの起動なんて20~30秒くらいの感覚ですが、HDDだと購入後間もなくでも1分くらい、使い続けてデータがたくさん入っていると1分半~2分とか、場合によってそれ以上かかるってざらでした。

 なので、PCの電源オン

      ⇒ちょっとトイレ・コーヒー淹れてくる

       ⇒戻ってくると起動完了

 ってパターンをよくやってました。


 初めての一人暮らしの中、ほぼ毎日PCを立ち上げていました。

 音楽の再生、映画鑑賞、気が向いた時の小説執筆、そしてゲーム。


 このゲームというのは、18歳の年齢制限のあるゲームです。お察しを。

 2000年代、この手のゲームを原作にしたアニメがよく放送されており、泣きゲーとして有名な『Canon』や『AIR』をはじめ、界隈で話題となっていました。

 わたしはこの手のゲームにはまり、秋葉原で買っては売り、買っては売り、を繰り返し、結構な数をプレイしてきました。

 燃えゲーに心震わせ、泣きゲーに目頭を熱くし、本格RPGに時間を忘れたものです。ある年の年末年始は『進撃の巨人』の諫山創さんが影響を受けたという『マブラヴオルタ』を朝から晩までプレイしていました。

 正直、結構創作活動にも影響受けています。

 魔法少女アニメの『なのは』シリーズは元々この手のゲームのファンディスク内容を原案にしておりまして、アニメ『なのは』シリーズは拙作『君が手にする魔法の剣』に登場する人型兵器『ハルクキャスター』のイメージ元になっています。

 分隊支援火器のミニミの存在や拳銃の構え方、カッティングパイ、コールサインとタックネーム、艦載機の空母発艦シーケンスを知るきっかけは全てこの手のゲームです。ロシア戦闘機の名前は『マブラヴ』で覚えました。(これは名前だけです)

 童子切安綱や雷切などの刀剣も、この手のゲームがきっかけで、戦国武将や三国志、忠臣蔵もみんなそうです。

 プレイ前は、戦国武将の名前なんか両手の指で足りるくらいしか知りませんでした。滝川一益とか知りませんでした。

 三国志とか、登場人物誰も知りませんでした。

 赤穂浪士、大石内蔵助と主税、堀部安兵衛くらいです。大高源吾、知りませんでした。

 そういえば、新選組覚えたのもそうでしたね。芹沢鴨とか楠小十郎とか。そのゲームのせいで、薩長嫌いになりましたから。当時、「いい西郷は西郷頼母だけだ」とかも言ってました。(ニッチなところですいません)


 ……パソコンに戻りましょう。

 で、そんなゲーム三昧な日々を過ごす中で、一つ気になったゲームがありました。

 3DCGマップを使ったRPGなんですが、通常プレイ時は問題ないのですが、暗い森の中のマップに入ると、なんかキャラクターや木の陰なんかが白抜きになっちゃうんですよ。で、なんか嫌になってそのゲームをやめてしまったんです。


 その一年後、転職先の職場の先輩からオンラインゲームに誘っていただきました。

『タワーオブアイオン』というMMORPGなんですが、どうも自分のPCではグラフィック性能が足りないかもしれないなと断りを入れました。

 すると、その先輩が後日黒と緑の箱を渡してきまして、中身がグラフィックボードだったんですよ。

 確か、GTS450、だったと思います。それが、初グラボでした。


 ネットで取り付け方法を調べて、PCI-Expressのスロットに差し込み、DVI端子で接続して、そこからオンラインゲームデビューが始まりました。

 まぁ、半年くらいでやめちゃったんですが。


 ですが、お陰でPCスキルが少し上がりました。

 まず、先に述べたゲームの森マップで白くなってしまう原因です。

 グラフィック性能、足りてませんでした。

 グラフィックボード追加したら、普通に綺麗に表示されました。

 その時、初めて映像出力におけるオンボードという概念を知りました。

 思い返してみれば、初めてPC起動したときから、ディスプレイの端が黒かったなと。16:9ディスプレイなのに、4:3表示のままだったなと。

 グラボ入れたら全領域で綺麗に表示されました!

 そういうことか!と学びました。


 それから、このPC時代にもう一つ経験しました。

 先輩から勧められたオンラインゲームをやっていると、開始からしばらくしていきなり電源が落ちることが頻発しました。

 当時は原因がわからず、よくわからないまま筐体を開けて確認して、「グラボが熱いからかな」と思って直接風を当ててみたりと、見当違いなことをしていました。なんなら、アルミ箔をグラボの基盤に押し当てて熱を逃がそうとかとんちんかんなことをしてました。(ほんと、バカみたいなことしてました。壊れてもおかしくないです)

 そして、そんな症状が続いたある日、父から言われました。


「電源足りてないんじゃないの?」

「え…?」


 購入時はCore 2 Duo、2GBメモリ1枚、500GBのHDDという構成だったのですが、途中で500GBのHDDを追加し、更に1TBのHDDを追加。更にはグラボまで追加したものですから、450Wの電源では、GPUに負荷がかかった際に電源不足で落ちてしまったのだろうと。


 週末、電源ユニットを買いに秋葉原のソフマップへ。

 商品と30分くらいにらめっこし、あれこれと吟味し(主に値段)、店員さんに「これとこれってどう違うんですか?」と商品の差を確認。ある程度店員さんと話したところで、思い切って「こういう構成なんですけど、電源不足ですかね?」と聞くと「あ~、かもしれないですね」と。

 で、結局ブロンズの600W(韓国製)電源を買ったわけです。6千円くらいだったかな。

 電源ユニット交換は未経験でしたが、やってみると面倒なだけで特に難しくなかったです。筐体に固定して、マザーボードへの給電ケーブル、HDDへの給電ケーブルを挿していけばよかったので。


 そういえば、さらっと書きましたがHDDの追加も自分でしてましたね。

 ここは既存配線を見よう見真似でなんとかしました。

 UltraATAやSirialATAなどの規格があるというのを知り、店頭で親切な解説ポップを見て、自分のはSATAだと判断。秋葉原で買ってきました。

 で、その後に別途SATAケーブルが必要だということを知り、その日のうちに近所のパソコン工房へ行ってSATAケーブルを購入。

 しかし、マザーボードと各機器の配置上、コネクタの形状がストレートではなくL字でないと苦しいと判断し、再度パソコン工房に急行して買い直し。

 で、CドライブのHDDと同じように電源から伸びる(当時はどこから伸びているか気にしてなかった)ケーブルと、SATAケーブルをHDDに差し込み、なんか入りそうなマザーボード側のSATA端子に接続して、物理作業は終了。

 父に教わりながら、ディスクの割り当てを行って、増設完了となりました。

 割り当てとかフォーマットとか、そういう作業をしないとHDDが使えないことをそこで知りました。(だいぶ遅い)



 こうして、わたしは地道に自分のパソコンと付き合い始めたのでした。


 次回はこの次に買ったPCについて書いていきます。


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