第7話 作戦と開戦
「明日、皆が待ち望んだクラス対抗戦がやって来る。 優秀な我らA組に敗北は許されないぞ!」
黒髪ダウナー系担任教師である、サクラ先生がおちゃらけながらそう言う。
「クラス対抗戦ね…」
こないだ聞いた話によると、一年生のAからEのクラスが一つの島に転送されてひたすら戦い続けるらしい。
そこには結界が張られていて、許容限界以上のダメージを喰らうと即座にこの学園に帰還。
そして、そうやって帰還させた生徒の数をクラス毎で競うそうだ。
「更には島の中央に置かれた魔法生物の卵を手に入れると追加で百点分のポイントを贈呈か…」
取ればほぼ勝ちは確定、当然の如く皆がそれを狙って中央に集まるので乱戦は避けることは不可能。
中々面白そうな戦いだ。
「それじゃあ、予め決めていたグループ分けを確認します!」
ざわざわとした教室の空気の中、それを切り裂くようにトウカが自信に満ちた顔で話し始める。
「まず、僕を始めとした本隊が初期地点からそのまま中央に進んで卵の奪取を狙います。 メンバーは主に飛行能力が無い僕やアスタ、ソフィアを中心に────」
「次に偵察部隊、此処はカテリーナを筆頭に空を自由に飛ぶことが出来るメンバーを────」
「そして最後に、切り札としてアツヤには逐次僕が指示を出します!」
最初に言っておこう。 俺だけ何故かハブられたが、これは虐めなどでは決してない。
トウカ曰く、何かあった時の為にジョーカーとして戦場をかき乱して欲しいとのこと。
「でも、一人か…」
これじゃあどれだけ頑張っても俺強えぇぇ! は出来そうにないな。
「頼りにしてるぞ、アツヤ!」
「頑張れよ、二番手!」
まあ、最低限は頑張ろう。 後から周りの奴らに文句を言われると面倒くさいからな。
「それじゃあ、明日は遅れずに教室に集合するように!」
トウカが最後にそう言い残し、A組の会議はお開きになった。
翌日、俺達A組はトウカ以外が全員無人島に転移していた。
「……忘れてた、アイツ朝に凄い弱いんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます