第136話 ボス対策


『お嬢さん、何をお求めで?』

「火属性耐性の指輪を、

こちらの方で換金できないかなと」

『鑑定書と実物は?』

「ここに」


両方見せるだけで手には取らせない。


『ふむ…本物…10%で基準値は超えている、

二十枚でどうだい?』

「金貨で?」

『もちろん』


宝の持ち腐れが値上がりするのは嬉しいが、

専門店なのでもう少し駆け引きがあるはず。


「この子に合ったアクセサリーが欲しいのですが、

何かありますか?」

『獣人のものとなると、腕輪、ネックレス、

チョーカー、獣人用のピアスとかになるね』

「見せてもらっても?」

『いいよ』


壁にかけてあったそれらを、

鑑定書ごと近くに置いてもらう。

一番高い効果値は腕輪で15%…

だが腕装備が多いのでこれは保留。

次に高いのはネックレスの12%で金貨三十枚。

奥の指輪の値段を覗き見ると、

こちらの物と効果は同じで値段は金貨二十五枚。

大体の相場がわかってきた。


「売る指輪の値段と買うネックレスの値段、

どちらか融通してもらえませんか?」

『ん、いいよ。ネックレスの方を金貨二十七枚』


簡単に下げてきた。

おそらく交渉前提の

強気な値段設定だったのだろう。


「それでお願いします」

『まいど』


財布から金貨を丁度差し出し、

後ろの客を気にしながら店を後にする。

鑑定書を雑嚢にしまい、桃子猫の前で膝を着く。


「どうぞ」


手渡しする前に、桃子猫は頭を少し上げていた。

もはや何も言わずネックレスを首にかける。


「いかがですか」

「いい感ジ」

「まずは火竜対策完了ですね」

「ウン」


後は似たような要領で、

獅子巨人対策の殴打属性耐性や

火属性魔法強化のアクセサリーを得る。


「装備はこれで整いましたかね」

「だと思ウ」

「食料も買いたいですが…

その前にあそこに行きましょう」

「?」


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