第135話 プレイヤーバザール


アクセサリーショップに入店し、

棒立ちの店員に話しかける。


「鑑定書はお持ちですか?」

「はい、ここに」

「拝見いたしました、奥へどうぞ」


手で示されたレジへ赴く。


「換金をお願いします」

「鑑定書はお持ちですか?」

「はい」


ここで確認されるんだったら

さっき話しかける必要はなかったな。


「拝見いたしました。これより計上いたします」


十数秒後。


「計上が終わりました。

五点で金額八十五枚となります」

「おお…」


貴金属なだけあっていい値段する。


「…」

「…あっ伝え忘れたんですけど、

今回は値段だけ知れたらなーと…」

「かしこまりました、

お値段の内訳を読み上げますと、

火属性耐性の指輪が金貨十五枚、

殴打属性強化の指輪が金貨二十枚、

刺突属性耐性の指輪が金貨十枚、

水属性魔法強化のネックレスが金貨二十五枚、

毒、麻痺耐性のネックレスが金貨十五枚となります」


かなり高いな。

一つだけでもクエスト報酬を優に超える。


「お考えが変わりましたら、

何時でもお申し付けください」

「あっはい」

店を出る。

「バザール行コ」

「ええ」



バザールは商業区と似たような賑わいを見せている。

一つの広場に露天商達が並び、

蛇行した道を形成している。


『こちら選りすぐりの

打撃武器を取り揃えております!』

『火属性耐性アクセサリーが、安いよ安いよー!』


各々、自分の商品を喧伝している。

火属性耐性の言葉が上がった店に寄る。

リザードマンの店主。

目が合うと同時に舌をこちらに向ける。


『お嬢さん、何をお求めで?』

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