第11話 始まりの街、ギルドトップランカー

 いやあ、頑張った、頑張った。やっとここまで来たわ。始まりの街トップランカー。ギルドポイントを4人でかき集め、俺らはギルドパーティのトップに立った。


 ドラゴン少女イナサの加入によりかなり火力の上がったパーティはそのまま始まりの街のダンジョン総クリア。ギルドのクエストもほぼコンプリート。ついには金で稼いでいた勇者カリクのパーティのギルドポイントを超えました。いやあホントに買った気がするなあ。勇者に。


 今日も夕食を食堂で食べる俺達。


「ダイキーー!! 後で殴り合いしよーぜ!!」


「今回は楽ね。次は別の街行きましょ? 魔王が待ってるわ!!」


「ダイキさん。ファミは回復魔法覚えました!」


 順調!! 順調!! そして俺はある計画をする!!


「みんな!! ここらで一発!! 商売するぞ!!」


 みんな驚く。そうだろ。そうだろ。


「次の街は?? 魔王は?? 私との契約を忘れたの!!??」


「覚えてるから、商売だ! 俺、借金してるだろ? 稼がないと。ノノッチ? なんか稼ぐアイディア無いか??」


「ダイキーー!! サソリの干物は美味しいぞ??」


「ダイキさん。市長の娘として申し上げますが。ダイキさんは商売の才は無いかと。地道にクエストクリアしてギルドからお金貰いましょう?」


 うーーむ。ここは地球での知識を活かす時!! 俺の特技は。…………。地球ではニートだった。アニメとゲームとスマホ漬けの。いわゆるダメ人間。ファミの言う通り商才は無いか。持ってるアイテムをテーブルに広げてみる。魔石。武器。ポーション各種。動物のアイテム。お金。…………。うん。なんも思いつかん。錬金使えればお金にはなりそうだけど。それは皆やってるだろうし。なんかスキル覚えるかなあ。と考えた。そして閃いた。


「こ、これだ!!」


「??」


「??」


「このサソリ、キムチ味で美味いな。モグモグ。」


「スキルを売るんだよ!! スキルを!!」


「?? それはギルドがみんなやってるのでは?? 格安で。」


「戦闘スキルはギルドで売ってる。しかし、使う人間の心構え。すなわち戦い方を売るんだよ!! 人それぞれに合わせた!!」


 すなわちラグザップ方式の訓練を考える!! これでボロ儲けだ!!


「よし!! 勇者カリクのとこ行くぞ!!」


 俺って天才!!


 みんなはまだ納得してないようだが。勝算はある!! とここまでの俺は思っていた。ニート引きこもりはコミュ障なのに…………。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る