第31話

「いいわよ」


 メラニーは即答だった。その反応に私は目を丸くしている。更にメラニーが即答した少し経った後、部屋の扉を叩く音がする。


「どうぞ」


 現れたのはチャラ男風の見た目をした若い男だ。その見た目通りと言うべきかへらへらと笑っている。


「この方がジェインよ」

「どうもージェインでーす。よろでーす」

(うっわ、チャラ男だ)


 やはり喋り方も、へらへらとしている。私は彼のそんな態度に若干の嫌悪感を感じながらも我慢して挨拶をした。


「じゃあジェイン、約束の魔術をお願い」

「畏まりでーす」


 以前サリオスが私にかけたように、ジェインは上着のポケットから赤い毛糸を取り出すと、互いの先端を私とメラニーの胸に当てて魔術をかけた。


「はい、終了でーす」

「ありがとう、ジェイン」


 私もメラニーに続いてジェインにお礼を告げると、ジェインは右手を振って部屋から退出したのだった。


「ふう…」


 メラニーが息をつく。そしてまた私の顔にじっと真っ直ぐな視線を向けた。 


「一緒に暮らさない?」


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