第5話

(最後までって事は本番だよな?!えーと…ゴム!ゴムは欲しいんだけど!)


 私はサリオスに気づかれないよう目をあちこちへと動かしてゴム及び避妊具らしきものを探す。


(これか?)


 ベッドの枕の上の物を置くスペースになにやら茶色い小箱があった。私がその小箱を開けると、小さなメモ用紙と共にゴムが出て来た。

 メモ用紙には避妊魔法済みという文言が赤いハンコらしきものとともに記されている。


「どうした?」


 サリオスに言葉をかけられ、私はすぐさま左手で素早くゴムを取って彼の元に駆け寄った。


「すみません。お待たせしました」

「…私がつける」

「良いのですか?」

「お前の手を汚させるわけにもいかないと思ってな」

「まあ、ありがとうございます」

(良かった、ゴム付けたこと無いから助かった…)


 サリオスがゴムを付けている間、私はドレスを脱いでいた。ドレスは思ったよりもコルセットの締め付けがきついが、一旦コルセットの紐を外すとお腹や腰回りが楽になって若干呼吸しやすくなった。


(邪魔だし、こっちも脱いだ方が良いよね)


 着ていたドレスがぱさっと床に落ちると、サリオスの目線は私の体を射抜くように向けられる。下着姿になった私はベッドのど真ん中に横になった。


「サリオス様、どうぞこちらに」


 背中を向けて座っているサリオスを誘う。サリオスはこちらへ向き直ると視線を向けて私を押し倒すような格好になった。

 そしてサリオスの顔が目の前に迫り、視界が黒くなって唇に暖かい熱が乗った。


「んっ…」

(推しとのキス!)


 サリオスの舌が私の唇を割って中に入って来る。私の舌が口の中でサリオスの舌とまるで紐を縛るかのように絡み合っている。

 そして五秒くらい経ってサリオスが唇を離した。


「入れるぞ」

「ええ…」


 私の中に、サリオスの硬くて熱いものがぐりぐりと入って来た。


「んっ…!」

(これが推しの…!熱くて大きい!)


 私はたまらず、あっ…!と喘いだ。




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