突然に
人が人である理由は何だ?
心か?肉体か?
「
人間は何かに求められることで初めて個として祝福されるのだ。
「存在意義」の無い人間は、黙する屍だ。
なら、人は賭けなくては...。
自らの意義を!!!!自信を!!!!
その手で、掴み取れッッ!!!!
今ッ!!この私は、危機と...ある種の責任に駆られている!!!!!!!!
今、如月とニードルマンに飛び掛からんとする新たな改造人間の容姿を読者諸氏にお伝えせねばならない。
賭けてやる...。賭けてやるぞ!!!!
もっとずっと遥かに高潔にッッ!!!!
そう、彼女を一言で表すなら...
...背広を着たエレキングである。
スレンダーな体型に黒いスーツ。
首から上やスーツから露出した尻尾は、どこからどう見ても、かの宇宙怪獣のそれであり、右手はレールガンめいた機銃に換装されている。
彼女の名は「SPARK MAN -スパークマン-」!!!!
雷鳴の求道者!!!!!!!!
スパークマンは空中で、左手のレールガンをパンチめいて突き打つ!!!!
ニードルマンは飛び抜けた反射神経で即座に振り向き、メイスでこれをガード!!!!
刹那、二者の間に火花が飛び散る!!
何たる瞬間的破壊力!!!!
ニードルマンはガードの態勢から突き出されたレールガンを掴み、ハンマー投げめいて後方に吹き飛ばす!!!!
初撃を削がれたスパークマンは空中で体勢を立て直し、滑るようにしてキックマンの近くに着地する!!!!
「...誰だ!」
「説明は後で!!取り敢えず、味方だと思って構わないから!!」
幾ばくの焦りを持った、少し高い声でスパークマンは言った。
「GYAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!」
気味の悪い笑い声をあげながらニードルマンが駆け出すように地面を蹴り跳躍!!!!
0.5秒後、それはスパークマンの目の前に!!
何と秀でた瞬発力!!!!
お返しとばかりに空中でメイスを打ち振るう!!
スパークマンはレールガンを咄嗟に上げ、これを受け止める!!!!
CRAAAAAAAAAASH!!!!衝突!!!!
鳴り響く金属音!!!!!!!!
反響!!!!残響!!!!
時は鳴り響くッッ!!!!
何たる強烈な一撃か!!!!
周囲に衝撃波が吹き荒んだその時である...!!
二者間、メイスとレールガンとの接地面...
原子が震え、空間は青く光る!!!!
SPARRRRRRRRRK!!!!!!!!!!!!
カウンター的放電!!!!
レールガン、鉄製メイスを通してニードルマンの体に2600Vの電流が走る!!!!
電撃!!!!稲妻!!!!熱風!!!!
意識外からの電撃により、メイスを受け止められた態勢のまま白目を剥くニードルマン!!!
その衝撃に思わず獲物を取り落とす!!
カラン、と地面に無惨に転がるメイス!!
スパークマンのヤクザキックが、未だ空中のニードルマンの腹部を捉える!!!!
鉄砲玉めいた速さで後方に飛ばされるニードルマン!!
そのまま、大通りの中央部に置かれた石造りの噴水に激突!!!!
破砕!!!!
滝をひっくり返したかのように、盛大に水が噴き出す!!!!
「 …っんんん…っ!すき、すきぃッ❤︎❤︎よし、まず、そこのカスさんからよわよわしてあげる❤︎おしなべてちょっろ〜い❤︎」
ニードルマンは瓦礫の中から立ち上がると、自身の谷間に腕を突っ込み、何やら紐めいたものを引っ張り出した。
いや、...よく見よ!!それは有刺鉄線である!
躊躇なくそれを自身の左手にグルグルと巻きつける!!!!
棘が手のひらに食い込もうと気にも留めぬ!!
メリケンサックめいて巻きつけられたそれは、刺激的なアトモスフィアを纏う。
グシャグシャになった金髪の奥には有無を言わせぬ眼光!!!!
そこに宿るは至純な狂気!!!!
ただ一点にスパークマンを睨み、やけに高い声で喚き笑いながら駆け出す!!!!
もちろん、その狙いはスパークマン!!
スパークマンは格闘の構えをとる!!
すると、右手のレールガンが変形!!
巨大なブレーサーめいたアーマーと化した!!
迎えうつようにピリピリと周囲の空気が戦慄き、青白い光を放ってアーマーが駆動する!!
今まさに雷鳴めいた激闘の火蓋が切られんと...!!
...するが、残念ながらここらでキックマンと如月との戦闘に視点を移されねばならぬ。
スパークマンとニードルマンの戦闘を尻目に、如月とキックマンは熾烈なインファイトを繰り広げる!!!!
如月の左アッパー!!!!
キックマンは鮮やかにこれをガード!!!!
キックマンのコンパクトな右膝蹴り!!!!
如月は体を捻り、これを回避!!!!
ストレート!!!!ガード!!!!
アッパー!!!!受け止める!!!!
右回し蹴り!!!!体を沈めて回避!!!!
両者一歩も譲らぬ死闘!!!!!!
永遠に続くかの如き激しい攻防!!!!
...しかし、勝負を決したのは一瞬の出来事であった!!!!
如月がボクシング選手めいた構えのまま、前傾姿勢をとる。
攻めの姿勢だろうか!?
如月の頭部が不用心にも前のめりになる。
それを攻めの機会と見たキックマン!!!!
決断的ジャブが如月に迫る!!!!
おお!!これは勝負あったか!?
否、如月はスウェーでこれを回避!!!!
紙一重!!!!
あわせる様に放たれた右ストレートが、キックマンに直撃!!!!
まさにプルカウンター!!!!
キックマンは如月の誘いに乗ってしまったのだ!!!!
一瞬よろめくが、お返しとばかりにキックマンの左フックが迫る!!!!
如月はくぐるようにしてこれを回避し、音速めいた右フック!!!!
さらに、返しの左!!!!
おまけとばかりに右アッパー!!!!
あまりの連撃にキックマンはよろけ、ガードの姿勢が崩れる!!!!
剥き出しとなった腹部に槍めいた如月のヤクザキック!!!!
無様に地面に転がるキックマン!!!!
マスクの中で血を吐き、
二者間の距離は約3メートル。
キックマン、如月、両者同時に歩き出す。
...。
...。
...駆け出す両者!!!!!!!!
体内が燃焼せんばかりの勢い!!!!
...。
盛大に助走をつけたクロスカウンター!!!!
互いの拳が頭部に炸裂!!!!
その威力、まさにアルティメット!!!!!!
EPISODE 48!!!!!!!!
周囲に衝撃波が舞う。
...これが両者、最後の一撃であった。
カタ、と膝をつく音。
...その音の主はキックマンであった。
両膝を地面につけ、頭は力無く項垂れる。
マスクの中から、くぐもった血反吐を吐く音。
「一度、拳を交わせばそいつの生い立ちが何となくわかってくる。俺はこういう
如月はキックマンを見下ろすように目の前に立ち、ボソボソと喋り始めた。
キックマンは衝撃で脳が揺れ、言葉が上手くでない。
敗北。
互い、慢心はなかった。
変身せずとも改造人間と渡り合うフィジカルの差、連戦によって蓄積した疲労、負傷...。
敗因を挙げればキリがない。
だが、最もな理由を一つ挙げるとすれば...
「お前は俺に似て辛気臭ぇな。」
...積み重ねてきた戦闘経験。
人はそれを「過去」と呼ぶ。
戦わざるを得なかった、戦って掴み取ってきた生...その体現が!!!!
他人に裏切られ、虐げられてきた悲壮...その足跡全てが!!!!
如月を今日の勝者たらしめたのだ!!!!
「正直、お前みたいに報われないくせに馬鹿正直な奴は嫌いんじゃないんだが...俺も雇われてるんでな。」
如月が引き絞るように右足を頭上に振り上げる。
その角度は180度を超さんばかりだ!!!!
垂直踵落としによって一撃で頭部を破壊するつもりである!!!!
「ま、せめて良い方の冥土に行ってくれ。」
限界まで振り上げられた踵が打ち振るわれる!!!!
風を切り、音を切り、迫るはキックマンの脳天!!!!
まさに打首めいた光景!!!!
...その時である!!!!
地を割るような轟音が一つ鳴る!!!!
おお!?これはキックマンの頭蓋骨が破砕された音であろうか!?
否、キックマンは未だ頭を項垂れている。
受け止められたのだ!!!!
如月の踵落としが!!!!
一瞬の出来事であった。
気が付くと、二者の間に割り入るように一人の男が立っていた。
その男は頭の高さまで上げた左手で如月の踵を受け止め、右手で首を痛めたようなポーズをとっている。
その男の容姿に目を移そう。
服装は、黒のインナーにドルマンスリーブの白い長袖シャツ。
タックワイドの黒いバギースラックス。
ルーズマッシュの黒髪に左耳のピアスが映え、口元のほくろがセクシーだ。
左手の人差し指と中指に
彼はおもむろに口を開くと、
おぉ...!!!!我々は彼のような人種を何と呼ぶか知っているッッ!!!!
そして、この突発的インシデント!!!!
そう、彼はまさに...
「どしたん?話、聞こか?」
サプライズヤリチン!!!!!!!!
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スパークマン 立ち絵
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