第2話 変わらぬ日常?
頭の痛みで目が覚めた。
私は寝相が悪いようで、目覚めた場所はベッドの上ではなく床の上だった。近くに置いてあったスマホの画面を見ると、時刻は5時59分と表示されていた。
どうしてこんなに頭が痛いんだ?
私は、そっと痛みのある部分に触れてみた。ん? なにかが付いている。
なんとなく居心地の悪かった部屋をスウェット姿のまま出ると、なんとリビングが広がっていた。パンの焼けるいい匂いが
「遅いわよ、リン」
身支度を整えている母親らしき人物が一瞬動きを止め、こちらを振り向く。「それではこの問題について、黒瀬
朝のテレビ番組に映っている人物が目の前にいる。
「そんなに驚くこと? これ録画番組だからっ」
なるほど。
私の母親はテレビに出るほど有名な教育関係者なようだ。となると尋ねたくなる。
「お父さんは?」
「今日のあんた、なにかおかしいわよ。あんなダメ夫のことなんてもう忘れなさい」
私は無言でうなずいた。
「ねぇ、今日は頭が痛いから……」
「ダメよ!」
私がすべてを話し終える前に口を挟まれてしまった。
「お母さんの立場も少しは考えてちょうだい!」
そう言い残し仕事に行ってしまった。
私はすっかり冷めてしまったパンにジャムを
机の横のハンガーに掛けられた制服は私立
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