第5話

「大分…すごい物語だったね」


「うん、、最後ヒロインが死んじゃうなんて思わなかったなぁ」


「まぁでも最後主人公がヒロインを好きだって気付くのは感動したよ」


あの映画を観たあと僕達は近場のカフェで映画の感想を語っていた


あまり関心の無い僕でも楽しめるのだから映画好きからしたら本当にいい作品なのだろう


彼女は余程感動したのか終わった後静かに涙を流していた

僕も彼女程では無いが、感動で涙が溢れた

本当にいい映画だった


「あー、私もあんな恋愛してみたいよー!」


「そしたら春藤さんいなくなっちゃうけど」


「玲於くんは乙女心分かってないなー、女の子は刺激を求めてるんだよ」


誰もが求めているわけじゃないだろうがね

その言葉をぐっと喉の奥にしまって軽く流す


そこから彼女はあの映画のパンフレットを何度も見つめながら映画の余韻に浸っていた


数十分経ったあたりで店が騒がしくなってきたから移動することにした


僕達が向かったのは本屋

提案したのは以外にも春藤さんだった


驚いて読むのか聞いて見ると幼い頃から本を読むのは好きだったようだ


人は外見によらないと言うが本当のようだ


「ほらここ、すっごいオススメなんだー!」


「そうなんだ、僕初めて来る」


「えー、勿体ない!」


そう言いながら書店の中へ入る彼女を追って僕も入ろうとした

だが、急に肩を叩かれた

驚いて振り返るとそこには幼なじみの結衣がいた


「いった…なに?」


「デートの邪魔しようかなって」


「はぁ?別にデートなんかじゃない」


有り得ないことを言う此奴に呆れ、ため息をつく

何度もしつこく聞いてくるので僕は強めに鉄拳を食らわせた


すると結衣は痛そうに頭を抱える

いい気味だ


未だに痛がっている結衣を置いて僕も店内へと入っていった

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ただ普通に走りたかった 愛南遥遠 @ainad_haruto

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