第7話


 いずれ天使に昇格された時には、魔族たちと戦闘を繰り広げなければならない。


 「戦闘」というと物騒に聞こえるかもしれないが、そんなに大したことじゃない…と、先輩からは伺っている。


 街に出没する悪魔は大抵が“クリーチャー“と呼ばれる魔物たちで、実体を保つのもやっとな弱者だ。


 時々第七位クラスの大物も出現するが、そんなのは片田舎には絶対に現れない。


 ちなみにクリーチャーは魔法を扱えなくても、戦闘用の魔具を使えばなんとかなるレベルだから、仮に遭遇したとしてもなんとかなる。


 先輩から渡された戦闘用魔具は3つ。


 1つは魔法薬。


 現状自分自身で魔力を出力することはできないが、この魔法薬を使えば一時的に擬似魔法を発現できる。


 渡された『イフニール』を使えば、魔導書と一緒に炎の魔法を扱うことが可能だ。


 2つ目は魔法剣。


 これは単純に魔力で構成された高圧縮の物質であり、存在そのものが『魔法』みたいなものだ。


 私みたいな見習い天使でも岩を真っ二つにしたり、頑丈な金属を切断したりできる。


 ただし扱い方を誤れば、自分にも危害が及びかねない。


 すごい切れ味だから。


 包丁を扱うみたいな軽いノリでいると、余裕で怪我をする。


 と言っても、天使の体には自己修復性能があるから、なんとかなるが。


 (ちなみに3つ目は、さっき言った「魔導書」のこと)

 

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