第3話
夜に目を覚まして家から抜け出す。ここからは秘密の時間だ。街にあるスラム街を目指して見つからないように行動する。
「さて今日も見つからずにこれたな」
スラム街に到着した。相変わらず汚いなここは。もちろん抜け出したことがわからないように偽装したが、やることやって早めに戻らないとな。
とりあえず気配を隠すように無意識のうちに漏れ出てる魔力をひっこめる。こうすると気配が薄くなるのだ。もちろん効果はレミリアで確認してもらった。
「さて、そこらに寝転んでいる浮浪者は……いたな」
周りを見て人がいないのを確認。土魔法を使って杭を作り、目の前にいる浮浪者の胸に突きさして殺す。殺すと浮浪者の魂が見えるようになるので、魔力で干渉して私の魂に喰わせる。そうすると私の魔力が増えるのがわかる。そしてこの浮浪者の知識も流れてくる。といってもろくな知識がないが。
今のは推定死霊術だ。というのも本には魂を扱う禁断の術と書かれていただけで、詳しい内容は全くなかった。
これに気付いたのも屋敷にいたネズミが死にかけていた時だ。何か見えると思ってじっと見てるとそれが魂だと気づいた。そして気づくと魔力で干渉して喰らっていた。
まあそんな感じで発見して、今では人間の魂を喰っている。魂を喰らうことで自分の魂が大きくなっているのがわかる。それにこの殺した死体にも使い道があるし。
「さて後はこの死体だけだな」
この空っぽの死体に魔力を流し込む。この時に流し込むのはただの魔力ではなく黒色と緑色の魔力だ。
これは魂を喰らっていって分かったことだが、途中から魔力に色がついてるのがわかった。
例えば赤色の魔力だと火属性に変換しやすかったり、逆に水属性に変換しにくかったりするのがわかっている。こんな感じで火の赤・水の青・土の黄・風の緑と光の白・闇の黒があるのがわかった。
そして風と闇をの魔力を流し終わって魔法名を言う。
「『クリエイト・スケルトン』」
そうすると目の前の浮浪者の死体から、肉が風化していって骨だけになって立つ。うん、どうやらしっかり成功したようだ。
これが私が編み出した死霊術のクリエイト・スケルトンだ。実はこれの前にゾンビを作ったのだが匂いがきつくて没になった。
「さて、さっさとしまわないとな。誰かに見られたらことだ。『シャドウルーム』」
私の影に闇の魔力を流す。そうしてから影を広げてスケルトンを沈めていく。これはなんとか保管できないか考えた末に作った魔法だ。欠点として中には空気がないから生物を入れようとすると死んでしまう。あと抵抗しようとすれば簡単にできるから攻撃には使えない。まあスケルトンをしまえるからいいのだが。
ちなみに『シャドウルーム』の中がどうなってるのかは把握できるから、入れたまま忘れるなんてことはない。
見られていないと思うが一応周囲を確認する。このとき魔法を使って探ると、気づかれるから使えない。ばれる前提なら使えるんだけどなぁ。
とりあえずは見られてない、と思う。何分こういったことに関する能力があるわけじゃないからな。どうしても不確実性は残る。まあそれでもやらなきゃいけないから仕方ない。
その後は何事もなく屋敷に戻れた。ここからは実験の時間だ。
まずはスケルトンの強化だな。今のままだと弱すぎる。これに関しては今のところ闇の魔力をスケルトンに流し込むことで解決している。これをすることで見た目が白から黒に変わって、動きが滑らかになるのがわかっている。今では一時間程度でできるだろう。
これ以上の強化は今のところできていないが、一つ思いついたことがある。しかしそれには魔力操作をもっとうまくできないといけないから、また後でだ。
次は魂の使い方だ。私は魂を喰らうことで、魔力の色が見分けられるようになった。なら他にもできることが増えるのではないだろうか。そんなわけで私の魂を弄くりまわしているのだが、今のところ全く反応がない。
魔力は流せるというか魂から魔力が流れているのがわかる、けどそこからはどうしようもない。弄っても反応がないからな。だから魂を喰った日に弄れないか試してみるだけだ。そして今日も成果は無かった。
そして次が今のところ一番力を入れている武器の魔物化だ。前世の記憶に剣や槍などの武器が独りでに襲ってくるのがあったから、どうにか作れないかと考えている。作れれば自衛に役に立つだろうからな。ちなみに武器は武器庫から取ってきた。
まあ今のところはなんとか手動操作がしやすくなる程度で、自動操作なんかは夢のまた夢だけど。やっぱり死霊術に関する本が欲しいな。それがあれば目的に近づくし。
不老不死への目的が。
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