第8話 熱戦の連続

甲子園大会は次のステージへと進んでいた。風切りタイガースの次の対戦相手は「北光ブルージェイズ」。彼らは東北代表として出場しており、強打者を中心にした攻撃型のチームだった。


翔太は、今大会二度目の先発としてマウンドに立った。試合開始早々、ブルージェイズの一番打者がセンター前へのヒットを放ち、翔太は早くもピンチを迎えた。


しかし、彼は冷静に次の打者を捕飛に取ると、続く打者を二塁ゴロに仕留め、ピンチを乗り越えた。


タイガースの攻撃は4回、浩二が先頭打者として四球で出塁。続く光一がライト前にヒットを放ち、一死一、二塁のチャンスを迎える。このチャンスに、翔太がバッティングで応え、左翼線への二塁打を放ち、浩二をホームインさせて先制。


試合はその後、緊迫した展開となった。ブルージェイズの打線は翔太の投球を何度も打ち返し、何度ものピンチを迎えるものの、毎回翔太は何とかしのいでいた。


9回裏、タイガースが1点リードで迎えた最後の守備。翔太はブルージェイズの四番打者を三振に取るなど、2アウトまで進める。しかし、次の打者に四球を与え、続く打者にヒットを許し、一死一、三塁という最大のピンチを迎えた。


マウンド上で、翔太は深呼吸をして集中。そして、次の打者に対して、佐藤先生のアドバイスを思い出しながら、変則的な投球フォームで投げた球は、打者のバットを逸らし、ショートの大地へ。大地はすばやくボールを拾い、二塁へ送球。ゲームセット。


タイガースは2-1で勝利を収め、甲子園大会での連勝を続けた。


試合後、翔太は「今日もチーム全員の力で勝つことができた。次も全力で戦って、町の皆さんの期待に応えたい」とマイクを通してファンに感謝の言葉を述べた。


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