第6話 決勝の舞台
地区予選決勝の日、グラウンドには大勢の観客が集まっていた。風切りタイガースの対戦相手は「南風ウルフズ」、長年のライバルチームだった。
スタンドは、タイガースの応援団の歌や太鼓の音で溢れ返っていた。町の人々は、この一戦にかける熱い思いを胸に、タイガースを応援していた。
試合開始前、佐藤先生はチームに対して最後の指示を出した。「今日の試合は、これまでの集大成だ。一球一球、全力を尽くして戦ってくれ。」
翔太は先発ピッチャーとして、再びマウンドに立った。彼の投球は、初回からウルフズの打者たちを圧倒していた。しかし、ウルフズもまた強力なチーム。3回裏、連続ヒットで1点を先制された。
タイガースの打線は、ウルフズのピッチャーに対してなかなか手を出すことができなかった。しかし、5回裏、翔太のバットから放たれた打球は、左翼フェンスを越えるホームランとなり、同点となった。
試合はその後、接戦となった。両チームともに、得点を重ねることができず、9回を終了して2-2の同点で迎えた。
延長戦へと突入し、緊張感が増す中、翔太は力強い投球を続けていた。しかし、11回裏、ウルフズの四番打者が翔太の球を捉え、二塁打となり、ピンチを迎えた。
その後、翔太は連続三振でピンチを脱出。チームも彼を励まし、最後の攻撃に挑んだ。
12回表、先頭打者の大地が四球で出塁。続く浩二が犠牲バントで大地を三塁まで進める。そして、打席には翔太が入った。
翔太は、ウルフズのピッチャーの投げるボールをじっと見つめていた。そして、3球目、放たれた変化球をしっかりと捉え、センター前へのタイムリーヒットを放った。大地がホームインし、タイガースが3-2で勝利。
試合終了のホイッスルが鳴り響く中、タイガースの選手たちは喜びの涙を流しながら、グラウンドを駆け回った。そして、スタンドの観客たちと共に、甲子園出場を祝った。
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