第5話 甲子園への道
夏の熱風が吹き抜ける中、地区予選が開幕した。風切りタイガースは初戦を迎えることになった。スタンドには町の人々が集まり、チームへの期待と熱い応援が送られていた。
初戦の相手は「北山ホークス」という、昨年までの連覇チームだった。強豪相手にどれだけ戦えるのか、多くの人々が注目していた。
翔太は先発ピッチャーとしてマウンドに立った。彼の目には、強い決意と集中が宿っていた。初回、翔太は三者三振と圧倒的な投球でホークスの打線を封じ込めた。
タイガースの攻撃では、光一が先頭打者として出塁し、続く浩二の打撃で二塁へと進んだ。大地の打撃でさらに一歩前進し、翔太自らが打席に立ち、鋭い打球を放った。それは中堅手の頭を越える二塁打となり、光一と浩二がホームイン。タイガースが先制した。
試合はその後もタイガースのペースで進行。翔太の投球はホークスの打線を手玉に取り、タイガースの打線も相手の投手を打ち崩す。結果、7-1でタイガースが勝利を収めた。
試合後、佐藤先生はチームに対して言葉をかけた。「よくやった。しかし、これからが本番だ。一戦一戦、しっかりと取り組んでいこう。」
地区予選は続き、タイガースは次々と強豪を下して勝ち進んでいった。その中で翔太は、佐藤先生から学んだ技術や知識を生かし、多くの打者を三振に取るなど、圧倒的な投球を見せつけた。
準決勝の相手は「東海シャークス」だった。シャークスは強力な打線を誇り、多くのスカウトが注目するチームとして知られていた。
試合開始早々、シャークスの打者が翔太の球を捉え、一気に3点を先制。翔太は初めてのピンチを迎えた。しかし、彼は動じず、再び集中してマウンドに立った。
次のイニングから翔太は、佐藤先生のアドバイスを思い出しながら、変則的なピッチングを展開。シャークスの打者たちは翔太の球に手を出すことができず、次々と打ち取られていった。
タイガースの攻撃も、シャークスの投手に対して連打を放ち、次第に点差を詰めていった。9回裏、1点差で迎えた最後の打席で、大地がサヨナラヒットを放ち、タイガースが4-3で逆転勝利を収めた。
この勝利により、タイガースは地区予選の決勝に進出。甲子園出場をかけた最後の戦いが、彼らを待っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます