第7話 アウスト・ハルバート
「喰らい死ね<大魔力砲弾>」
俺が新しく作った魔法で魔力砲弾の上位版の魔法となり消費魔力は驚きの40とその威力と同じく消費量も多かった。因みに下位の魔力砲弾の消費魔力は25で凡そ倍以上の魔力消費を誇りその魔力消費量は幾ら魔力回復と回復強化のスキルを習得しているからと言っても、その量を消費しては戦闘にも支障を及ぼす可能性があった。
その威力は途轍もなく高く一撃で奴の左腕を消し飛ばしたのだ。だが俺は見逃さなかった。咄嗟に大剣を盾代わりにしてその魔法の威力の大部分を左腕を犠牲に防いだのだ。恐らくもう一発放てばあいつを倒す事も可能かと思うが何とも嫌な予感を感じてそれを止めていた。
「<大魔力壁>」
取りあえず考える時間が欲しいと言う理由もあって、大魔力壁で時間稼ぎをすることにした。兎に角今の状況を整理すると、奴は左腕を消し飛ばして回復は恐らく不可能と思っている。その上右腕だけの影響か、攻撃力が目に見えて落ちていて、大魔力壁を破るのに両手剣材の時は1発だったのが3発くらいいれないと壊せない位に攻撃力が落ちている。
その上呪攻撃によって身体能力やスキルの威力が減衰状態とくればこの辺で勝負をきめるかね。
「私は何も言わん貴様が何を守り何を尊ぶのか私には分からん故になにも言わん。貴様との戦闘楽しめたぞ」
そう言いながら俺はこれまでの魔法とは違った純粋な近接戦で戦う事にした。それはこの守護騎士に対し<大魔力砲弾>で容易く決着を付ける事に抵抗感を感じたのだ。
《スキル<肉体強化Lv1>が<肉体強化Lv2>に上昇しました》
《スキル<体術Lv6>が<体術Lv7>に上昇しました》
《スキル<格闘Lv5>が<格闘Lv6>に上昇しました》
《スキル<打撃強化Lv4>が<打撃強化Lv5>に上昇しました》
《新しくスキル戦闘系スキル<衝撃付与Lv1>を習得しました》
それからの戦闘は大剣を回避や見切で受け流してその隙に大魔力壁と格闘戦を織り交ぜた戦闘を続けていたが、決着が付きそうな瞬間に敵のアウストは何らかのスキルを発動した。
ブルッ
「なっ何だこr」
セリフを言いきる前に俺はアウストが放つ大剣での横払いによって、壁の方までぶっ飛ばされた。
何だ何のスキルだ?アウストが何かをした瞬間に体から湧き出る恐怖感…怖い戦いたくない嫌だ怖い怖い怖い
「グォオオォォ」
アウストが言葉にもならない呻き声を上げながら俺がぶっ飛ばされた壁の方に向かってゆっくりと歩いて来た。その一歩一歩死が近づく音に俺は若干の涙を浮かべていた。
《新しく耐性系スキル<恐怖耐性Lv1>を習得しました》
新しく恐怖耐性のスキルを習得した瞬間に身を襲っていた恐怖感がちょっとだけだが薄れて、それと同時に使ったスキルが眼光でこれはスキルの効果で俺は屈していないと思い立ちあがる。
怪我によって破損した内臓や怪我のせいで今もなお死に近づいている感覚は有る物の、今の状態はとんでもなく安定しているし今はこの世界に俺とアウストしか居ないのだと思いながら、俺は彼への非礼を詫びた。
「あぁ私はアウスト…貴様に謝らねばならないな私は貴様を思うあまり貴様自身の思いを無下にしていた。
これで死にたいのだろう?」
そう言いながら俺は<大魔力砲弾>の魔法陣を用意しながら、アウストの反応を待っていると、彼は私の行動に少しだけ、本当に気のせいかも知れないが、ニヤリと笑った気がして、次の瞬間大剣を右手だけで持ちそのまま跳躍して振り下ろしてきた。それに対して俺は彼と同じく左腕で受けて、左腕を取られたのを確認して、準備していた<大魔力砲弾>を発動させる。
「楽しかったぞ」
それだけ呟くと彼の肉体を全て回収して一旦帰る事にした。その道中で彼との戦闘の傷で死にそうになったが、内臓の傷は回復で直り左腕の方も再生はしていないが、傷口は一旦塞がったから大丈夫だと思った。
「カラカラ」
スカルトは悲しそうにも心配している風にも見える表情で俺を見てきた。まぁ仕方が無い何せボロ布の服とは言え腹に大穴開いていて、しかも左腕の肘から先が消え失せているのだ。これで心配せぬ方が可笑しいと言う感じの負傷具合に俺は右手で大丈夫と言うジェスチャーをして一先ずスカルトを別の場所に行かせた。
それでいい加減ボロボロの布の服にもお別れが言いたくなって、それでいい服を見つけたのだ。そうアウストの黒衣の衣服で結構丈夫だし見かけ程汚れてなく今すぐに着ても問題無い風だった。
彼の黒衣に袖を通したら、少し丈とかが合わないと思っていたが自動で調整された事に驚いて鑑定をしてみた。
名前 暗黒守護騎士の衣装
分類 衣服
品質 王
説明 嘗て魔人戦争の時代に最後まで城の中枢を守り切った守護騎士の装備、だが彼が死んでアンデットとして蘇った時には全てが終わっていた。嘗てと比べるまでも無く落ちた力に絶望し最後の使命だけを守っていたが、彼に希望が現れた。この装備は嘗て暗黒の守護騎士と呼ばれた者の装備…だが今を生きる最後の魔人への手向けとして贈られたそれには彼女を守る力が付与されている
効果<自動修復><袖丈調整><汚染無効><成長>
それから暫く声にならに程に泣いて、喚いて暫くして落ち着いてからローブの方も鑑定してみる。
名前 暗黒守護騎士のローブ
分類 衣服
品質 王
説明 私は幸せだった。最後に半魔と言えど魔人に名を連ねる物に殺されたのだから故に私は君にこれらを送ろうこれが君の手助けとなる事を願う
効果<自動修復><袖丈調整><汚染無効><成長>
名前 暗黒守護騎士の大剣
分類 武具(大剣)
品質 帝
説明 もはや私は全てを残した装備も剣も肉体も全てをお前の好きに使うが良い私はそれを望んでいる
効果 <調整><自動修復><成長>
これらの武器の攻撃力は彼よりも筋力等が低いと思われる俺が放つとそれだけでは考えられない程に弱体化していて、俺の素手より弱かったが、多分これは彼なりのエール何だろうこの剣と共に強く成れと言う彼の言い分何だろうなと思っていた。
だがこの剣は俺よりも相応しい使い手がいる。今はこの剣と同じく弱いが後々俺の守護騎士となるべき者に相応しいと思っている。
「この大剣はこの迷宮の守護をしていた騎士の物だ。だが今はまだお前と同じく脆弱なる剣だ。この剣と共に強く成れそして私を永劫の時を刻もうとも守る騎士と成れ」
スカルトは俺の前に跪いて、両手を出していた。そこに私は大剣を与えると彼に合う大きさまで縮んでこれから彼と共に成長するのだと思いながら、そんな未来を楽しく思いながら見ていた。
あとがき
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