第6話・好きなことだけして生きていく生き方

年始に出雲大社で祈祷して、新たな年を迎えた。


会社では相変わらずのbotぶり。

このままだと会社にただただ束縛されたまま、

機械的に生きていく事実になんら変わらないだろう。


僕は会社の仕事を適当にしながら、個人事業主になるべく情報を探っていた。


少しでも会社の連中から離れ

自分のロールモデルになりそうな人を探していた。


個人事業主になれるセミナーとかも一生懸命探して

個人事業主の先輩に色々話を聞いてみたりもしたことがあった。


個人事業主として何が必要か?

そうした情報を集めて準備をしていった。


準備はしているが、どうすれば独立できるかわからず

会社を辞める度胸もない。


そのように悶々として過ごしていたオフのある日に、

書店で見かけた本が気になった。


「好きなことだけして生きていく生き方」


とな。


今まで、そんなことは考えたこともない。

しかしこうなんというか、読み手に訴えるポップな感じの文章で

まさに僕がやりたい人生そのものじゃないか。


本屋でベストセラーに上がっていた本で

買うかどうか迷った末に、買ってみて読んでみたのだ。


「好きなことだけして生きていく」って、どういうことなんだ。


僕は会社の仕事においてもずっと我慢ばかりしてきた。

好きでもない仕事、好きでもない同僚、

「そんなロクでもないモンばっかしぶつけやがって」って

会社にキレたこともあった。


「好きなことだけして生きていく」だって??

それができれば、どんなに楽なことか。


ゲーム制作に携わることだって出来ただろうし

山登りだって「金がない」って言って辞めることだってなかっただろう。


周りの人間関係がうっとおしくなければどんなに楽か。


この本についていえば、我慢ばかりし続けてきた人生の僕に刺さった。

コーチングの本も多数読んできたが、

ここまでダイレクトに僕に刺さったことは一度もない。


なんたって、伝えたいことがとてもシンプルで分かりやすいんだ。


いったい、この本を著者はどんな人物だ??


著者の略歴を見ると、もともと会社員だったが

好きで続けていたブログの方が好調になって

ブログの収益だけで生活できるようになったプロブロガーだという。


この著者のプロフィールを見て僕は共感した。

もともとはしがない会社員というのは僕と同じポジションではないか。


それがブログを書きまくっていたら

いつの間にか会社員の給料を超えてしまった。


うらやましすぎるサクセスストーリーじゃないか。


僕はこの本を買って読んでみて、僕なりに感じたのだ。


「この人が僕のロールモデルなのだ」と。


僕はこの人を「成功者」としてみて

こういう人の話を聞いてみたいと思うようになった。


ある時、このブロガーが塾を開校するということで

塾生を募集しているという情報が上がった。


金額が割と高かったので、締め切りギリギリまで躊躇し、悩んだ。


高いがどうする?


今まで赤字を繰り出してきたのに、ここにきてまた金を払うのか??


しかしこの機会を逃したらもう聴くチャンスがないのでは…。


「好きなことだけして生きていく」んじゃなかったのか??


安月給の僕にしてみるとセミナーの金額が高いので、

開催ギリギリまで悩んだ。


結果として締め切り手前に入塾を決断した。


このブロガーを僕は心の中で「メンター」と位置付け、

「やりたいことだけをして食っていく」


僕にとっては「メンター」が草分け的存在となった。


プロブロガー塾の門下生になり、「講師」であり「成功者」である彼の薫陶を受けた。


「いかにすれば、面白い人生を送れるか?」


それはすなわち、どうすれば受けるブログを書けるか?

ということなのだという。


その言葉に、彼の生き様というものを感じることができた。

「メンター」である彼は東京の一等地マンションに住んでおり

一介の会社員が住めない場所にいるのだから

年収的にいえば、謳い文句もまんざらではない、ということだろう。


僕のような安月給会社員にしてみれば夢のまた夢、という物件だ。


土日に気持ちが復活して、平日また会社に戻れば

再び死人としての人生に逆戻り、この繰り返しに変わりない。


しかしこうした会社員以外の生き方を知る人と触れ合うことで

確実に僕の人生の中に「希望」というものが見出せた気がした。


「メンター」と同じことをやらないと、彼のような人生には程遠い。


そのことを自覚して、日々ブログに向かい合うことにしたー。

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