第4話・困った時の神頼み

「個人事業主になりたい」


そう息巻いても、どうすればなれるなんてわからなかった。


退職した仲間たちの多くはサラリーマンの世界しか知らない。

独立すると言う発想を持ってやっているわけでない。


誰に聞けば個人事業主になれるか?それすらわからなかった。


僕は困り果てる一方で、これ以上今の会社にいても

ただただ自分が腐りゆくだけだと言う自覚もしていた。


困った時にはどうすればいいか?


僕は考えて一念発起し、初詣を出雲大社で行うことにした。

そこで祈祷してもらえれば、何か変わるんじゃ?


そういう期待を持って行った。


神社でやる「祈祷」が、果たして効果あるものなのか?


そんなものはネットで調べたところで

「結局はその人次第」でとどまってしまう。


1年通して振り返ってみてようやく

「今年1年だいぶ成長したけど、そういえば祈祷した成果があったなぁ」


そういう感想になるのでないだろうか。


スピリチュアルワークはどうしても体感ベースになるから

効果として人によってマチマチになりがちなものだ。


エンパスな体質であれば効果テキメンといったいった具合に感じるが

そういう体質でもなければありがたみが分かりづらい、

個人差というのはどうしても避けられないと思う。


僕の場合は振り返れば、ただの結果論かもしれないが

「祈祷した1年で爆速的に人生が進んだと思うし、

今でも繋がることができている人物がいる」


このことは結果として「効果があったな」とは思う。


関東から出雲大社に行くくらいの行動力があれば

なんでもできる、といって仕舞えばそれまでかもしれないが。


独立することを考えても、会社辞めるにしても

決断を今ひとつ振り切れない当時が思い返される。


僕自身、現状の職場においてエンジニアとしての成長が頭打ちになり

辞めた同僚にも転職を勧められていた。


僕も今の会社にいても腐るだけなのはわかっていたので

転職活動をずっと続けていた。


しかしどこに転職しても結局給料以外変わる未来はないのでないだろうか?

そればかりが頭をよぎり、素直に転職しよう、という気になれなかった。


会社を辞める勇気も湧かず、

どういう会社に転職していいかわからず

ほとほと困り果てていたところだったのだ。


一人でウジウジ悩んでもアイデアが上手いことでてこず

「困った時の神頼み」と思い


その時に出雲大社の祈祷というのが出てきたのがきっかけだった。


僕は年始に宿泊できる民宿を探して予約し、

正月の初日を実家で過ごしたあと、

深夜バスを使って東京から出雲まで向かって行ったー。

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