【閑話】答辞①
卒業生代表・煤原 葵は、威風堂々、登壇した。
「私はこの3年間で、多くのことを成し遂げました。その中には御存知頂けていることも、頂けていないことも、あると思います。私の行いが理解されず、反感を買うこともありました。そのことで心苦しさを感じなかったと言えば、嘘になります。生徒会長になったことは成り行きで、3年間も務めあげることができたのは、まさに奇跡でした。就任してすぐにバッジ制度を制定し、皆さんに公平平等を期すことができました。とてつもない難題でしたが、この3年間で定着し、当高校において、なくてはならないものになりました。高校生活3年間の中で、私の1番の功績です。とはいえ、そんなとてつもない功績を残すことができたのは、力になってくれた人たちのお陰でもあります。こんな無茶な要望が受け入れられたのも、自由意志の強い皆さんであったが故でしょう」
滔々と話す彼女の方をじっと見ているのは、冷めたレンズの視線だけ。
それでも、自己賛美の答辞は、まだまだ続きそうだ。
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